-英数-
A

【AAM-3】ボタン 解説画像を別ウィンドウで表示
  航空自衛隊の赤外線追尾式空対空ミサイル。正式には90(きゅうまる)式空対空誘導弾と言う。AIM-9Lサイドワインダーの後継として国内開発され、サイドワインダーよりもシーカー(ミサイル先端に収められた赤外線センサー)の首振り角と速度を向上させているので、一旦ロックオンをしてしまえば、目標が高機動で逃れようとしても、シーカーが目標を捕らえ続けられる設計が売りらしい。また、前端に付いている翼はダブルデルタ形に変更されているのがサイドワインダーとの外見上の相違点。この4枚の翼は独立して動き機動性が大幅に向上しており、ロックオンさえできればすれ違った敵機でもUターンして追いかけることが可能だとも言われている。実戦使用していないので、どこまでホントかは誰にもわからないが…。

【AB】
(1)《F》Air Bandの略。→エアバン

(2)After Burnerの略。→アフターバーナー

【ABC】
(1)《S》American Black Coffeeの略。アメリカンなブラックコーヒー。おやぢなコクピットクルーがキャビンアテンダントに「ABCとJSTちょ〜だい」というふうに使う。ABCは日本航空での呼称で、全日空では『ドメスティックコーヒー』と呼んでいる。余談だが、コーヒーはブラックよりミルク・砂糖入りのほうが脳の活性化に役立つ。砂糖は体内でブドウ糖に分解され脳の栄養源となり、ミルクに含まれるホルモン物質トリプトファンは神経伝達物質セロトニン・ドーパーミン・ノルエピネフリンの原料となる。ミルク・砂糖入りでもカフェインの持つ覚醒効果に影響はない。急いで飲むと体内各部に取り込まれ脳の取り分がなくなってしまうので3〜4分かけてゆっくり飲むと良い。カロリーは増えるが、朝の目覚めた直後の一杯だけでもミルク・砂糖入りにしたほうがよい。その程度ならば、健康な人であれば一日あたりのカロリー摂取量は誤差程度でしかない。胃にも優しいのでコーヒーはミルク・砂糖入りをお勧めする。→ドメスティックコーヒー
(2)《S》同じく、American Black Coffeeの略なのだが、「アメリカンコーヒーは濃くない、こくない、国内…」で、国内線のこと。うあぁ…。

(3)ABC world airways guide。イギリスで発行されている航空時刻表。

【ABL】
 AirBorne Laserの略で、アメリカの戦域ミサイル防衛構想の一翼を担う空中レーザー機。ボーイング747-400Fの機首にレーザー砲を搭載し、ミサイルを迎撃する。なんつうか、SFだねぇ…。

【ACARS】
 ACARSは『エーカーズ』あるいは『エイカーズ』と読む。Aircraft Communications Addressing and Reporting Systemの略。飛行中の航空機と地上の運行会社との間で、航空機の運航に関する各種情報を取り扱うデータリンクシステム。シカゴに本部を置くアメリカの航空通信組織、ARINCのネットワークを経由して送受信する。聞き違い、聞き漏らしなどによるトラブルを防ぐため文字情報でやりとりされ、機内はで自動的にプリントアウトされる。また、航空機に不具合が生じた場合、航空機に搭載されたモニタリングシステムが感知し、地上の整備部門へ自動的に連絡することもできる。
 初期のACARSの通信速度は2400bps〜4800bps程度、つまりデジタル携帯電話の半分以下、十数年前のパソコン通信並みと非常に遅く、これではチャットも画像伝送もできない。チャットができるようにするため…ではないが、ACARSの拡張ともいえるVHF-ACARSや、ACARSに代わる衛星データ通信も実用化されている。
 ACARSは航空機と運航会社間のデータリンク、つまりカンパニーレディオのデータ通信版ともいうべきものであり、一部の国を除いて航空官署は使用していない。航空機対管制機関のデータリンクは『CPDLC』(Controller Pilot Data Link Communication)と呼称し、ACARSとは別物である。CPDLCは、現在我が国洋上空域でもトライアルが進んでいる。→エーカーズ

【ACMIリース】
 ACMIは、Aircraft(機体)Crew(乗員)Maintenance(整備)Insurance(保険)のそれぞれの頭文字。運航乗務員、客室乗務員、機体整備、機体保険、旅客保険、第三者損害賠償保険まで含めたリース形態。

【ADIZ】
 Air Difence Identification Zoneの略。→防空識別圏

【Affirm】
 アファーム、と読む。『左様』『いかにも』『仰せの通り』といった意味。『Yes』は、復唱や不明瞭な点を確認するはずが『承認』などに誤解されるおそれがあり、航空管制では原則として使用しない。
 「Affirmとは、その通り、という意味でよいか?どうぞ」
 「Affirm」
 「…」

【AFN】
 American Forces Network。米軍放送網。米軍将兵向けのラジオ放送。基地内でのケーブルテレビ放送もやっている。以前はFEN(Far East Network。極東放送網)と言っていた。30代以上の人には「This is Far East Network in Tokyo」のアナウンスで始まるFENのほうがおなじみだろう。1945年(昭和20年)9月から放送が開始され、1997年(平成9年)10月、AFRTS(American Forces Radio and Television Services。米軍ラジオ・テレビサービス)との衛星中継回線が完成し、全世界で統一した放送が可能になったことから、放送局名をAFNと改称している。祖国を遠く離れて全世界に展開する米軍将兵やその家族に、24時間娯楽とニュースを送り続けているほか、有事の際に外出中の将兵に呼集をかけるという役割もある(実はこれが本来の役目)日本人にとってはお手軽に聞けるナマの英語ということで、駅前留学なんてものがなかった昔から、セサミストリートと並んで英会話の教材という役割も担ってきた。洋楽の最新情報も日本に最初に入ってくるのはAFN(つ〜か、FEN)からの情報だったので、インターネットラジオなんてものがなかった頃は、洋楽ファンも挙ってチェックしていたものである。横田送信所が810KHz、三沢・岩国・佐世保送信所が1575KHz、嘉手納送信所が648KHzとFMの89.1MHz。

【Air Bastard】
 コミック『ファントム無頼』の中文翻訳版タイトル。

【AIR-7】
 米空軍の核弾頭ではない。天下のSONYが1984年8月21日から発売しているVHFエアバンドポータブルレシーバー。まだ販売されていることになっているのには驚きである。あちこちのメーカーから出ている最新機種と比べてみると、今となっては笑ってしまうほどでっかくてごっついが、エアバンドを身近にした功労者である。きょうびターミナル屋上や滑走路の端で怪しげな受信機を手にしていても、世間様から白い目で見られることがないのは、ひとえに万国のエアバンダーの輝ける太陽、偉大なるAIR-7様の革命的大偉業によるのである。まんせー!
 30代以上の航空ファンにとって、発売当時垂涎の名機だった。編者はよだれを垂らす暇なく買いに走ったが…。ラジオ放送も聞けるし、スピーカーの音の良さはさすがSONYだった。本体上部にあるセレクタスイッチを外し、その中のネジを外すとセレクタがもう一段回るようになり、アナログ警察無線も聞けたという裏技はあまりにも有名。編者のは外部アンテナを接続されて据え置き専用になっているが、十数年を経た今日も元気に羽田や成田のATISを受信し、お出かけ前の撮影場所の決定に役立っている。 そろそろ折り畳み式筐体で、ジョグダイヤル回して親指操作できる後継機種なんて、出してくれませんかねぇ?

【Alitalia】
 ご存知イタリアの航空会社。実はこれ、アリタリアの正式名称AeroLinee ITALIAne internazionaliの略だった。意味はというと『イタリアの航空会社』…ってそのまんまやんかぁ〜!

【AMW】
 大阪府泉佐野市長滝のバーボンハウス、Air Mans Wharfの略。店に入ると、まず床を埋め尽くす落花生の殻に驚く。落花生の殻をざくざく踏みながら店内に入る。ここでは落花生の殻は床に落とすのが流儀。故にそれ以外のものは落とさないように。言うまでもなく吸い殻は灰皿へ…。迎えるマスターは乙訓昭法氏。航空ファン誌の連載で知られ、全日空でロッキードL1011トライスターのキャプテンを勤め上げた人である。Air Mans Wharfと言うだけあってエアマン達のたまり場、そして地元長滝の人々の憩いの場でもある。阪和線日根野駅から徒歩15分と少々遠いが、関西空港からの帰りに寄ってみては如何だろうか。鉄道ファンなら日根野電車区を眺めながらの道も楽しい。火曜日定休、18時から0時までの営業である。カウンターの向こうにびっしりと並んだボトルに、世の中にはこんなにバーボンがあったのかと驚かされた。広いアメリカの『地酒』が並ぶ様は壮観である。

【ANA//】《S》
 全日空のロゴを、インターネットで使用できる文字だけで表現するとこうなる。青と水色の平行四辺形が//で表されている。インターネットの匿名掲示板で使われる。最近は機首部分のロゴが漢字の全日空ロゴからANA//に代わっているが、これは全日空が、中国語で「一日中空っぽ」という意味になってしまうから書き換えたのだ。という話もある。

【ANH】
 All Nippon Helicoptorの略。全日空系列のヘリコプター会社。親会社よりも由緒正しき日ペリの直系である、とも言える。NHKの取材ヘリはこの会社が運航している。

【ASCC reporting name】
 →NATOコードネーム

【ASIA】
 北京や上海に乗り入れながら、台北や高雄にも乗り入れたい航空会社が使う『魔法の呪文』同じ会社の飛行機でも、魔法の呪文『ASIA』を書いた飛行機なら、台湾に乗り入れても中国から文句を言われない。別の会社でもでっち上げればさらに効果的である。この呪文を最初に発見したのは日本の航空会社だが、実は、呪文なしで中国にも台湾にも乗り入れを果たした真の勇者がいる。マレーシア航空だ。北米への経路に当たる重要路線とはいえ『迷信』などに囚われず、北京就航に当たっても台湾への信義を貫いた姿勢は見習いたいものだ。

【ATC】
(1)Air Traffic Control serviceの略、またはArea Traffic Controlの略。航空交通管制業務あるいは航空管制機関のこと。航空機相互間の安全間隔の設定、離着陸・進入の指示、レーダーによる誘導などを行う。いわゆる『航空管制』のことである。
(2)Automatic Train Controlの略、自動列車制御装置というのもある。こちらは新幹線や山手線などで使われている『管制』システムだ。

【ATCトランスポンダ】[ATC transponder]
 日本語では航空交通管制用自動応答装置という…舌かみそうだ。SSR(二次監視レーダー)が発信する質問に対し応答を行う発信器。SSRから1030MHzで質問電波を発信すると、これを受けたATCトランスポンダは1090MHzで応答し、SSRが応答電波を受けてレーダースコープに航空機の便名、高度、距離、移動方向を表示する。これがないとレーダースコープに点が現れるだけで、どれがどれだかどの高さにいるかどこへ行きたいか、もうさっぱりわからなくなる。
 余談だが、ATCトランスポンダは新幹線にもついている。ATC(列車自動制御装置)から、ひかりやこだまに合わせて送られる230km/hの速度指示信号を受けて、のぞみが速度指示を270km/hまたは300km/hの速度指示に読み替えるもので、これがないとのぞみは300km/hでは走れない。同じ名前でも全く違うものになるというお話。

【AWACS】
 エイワックスと読む。何とかの一つ覚えで同じようなダンスミュージックのCDばっかり出しているあのレコード会社じゃないぞ。Airborne early Warning and Control Systemの略。空中早期警戒管制システム。早期警戒機に指揮・統制・通信の機能を追加したもの。簡単に言えば空飛ぶレーダーサイト兼防空司令部である。ボーイング707などの大型旅客機をベースに、胴体の上に櫓が組まれ、その上でロートドームというレーダーアンテナを内蔵した円盤を回している。米空軍やNATOで使用されるE-3セントリーが代表的なもの。E-3セントリーには、実は搭載されている電子機器やソフトウェアのスペックにいくつかのランクがあり、最も高性能なものを米空軍が使用し、ちょいとランクを落としたやつをNATO諸国に売りつけている。アメリカ政府の覚えがあまりめでたくない日本のAWACSは、E767というボーイング767-200をベースとした別物で、ランクとしてはどの程度なのかは明らかではない。一応は最新鋭なんだけれどね…。
 なお、ご予算に応じてB737をベースとした737AEW&Cなどもご用意できます。不細工なロートドームを廃したスタイリッシュなデザインとお求めやすい価格は店頭(…どこだそれ)でも注目を集めております。これからは警戒管制機もスタイルの時代。維持費も大変お得です。737AEW&Cはオーストラリア空軍殿への納入も決定しております。世界最大の航空機メーカーボーイングは、豊富なラインナップで皆様をお待ちしております。

B

【Bかさい】[B火災]
 油火災。つまり消防法による第4類危険物および第4類の準危険物の火災を言う。消火の方法としては泡消火剤、水成膜泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素などが用いられる。

【baiu front】
 6月上旬から7月下旬にかけて、オホーツク海気団と小笠原高気圧に挟まれ、日本列島の南岸に停滞してしとしとじめじめと雨を降らせる前線。よ〜するに梅雨前線のこと。英語でもバイウフロントである。

【BBJ】
 Boeing Business Jetの略で、ボーイング737をベースとしたビジネスジェットのこと。737-700の胴体と737-800の主翼を組み合わせ、乗客8名(!)時に航続距離は6,200nm(11,160km)を達成している。

【b/n】
 Bureau Numberの略。→ビューロ・ナンバー

【BOAC】
 Puffyの『渚にまつわるエトセトラ』で「飛び交うカモメはBOAC…」と歌われるこのBOACとは、British Overseas Airways Co、英国海外航空の略。1967年にBEA(英国欧州航空)と合併して、現在の British Airwaysになっている。いきなりえらく古い航空会社の名前が出てきてびっくりだが、なぜ「飛び交うカモメはBOAC…」なのかは訊かないように。

【Bomber】
(1)爆撃機。なお、Bomberは本当はボマーと読むのだが、日本ではボンバーと読む場合もある。
(2)セクシ〜!ダ〜イナマ〜イツ!エリア・ルールだ!ぼん!きゅつ!ぼ〜ん!ナ〜イスバディヒューヒュー!な、米軍爆撃機のノーズアートみたいなおねいちゃんをこう呼ぶ場合もある。…って、これのどこが航空用語じゃ!

【Bomber Girl】
 米軍爆撃機のノーズアートに描かれている女性みたいな、セクシ〜!ダ〜イナマ〜イツ!エリア・ルールだ!ぼん!きゅつ!ぼ〜ん!ナ〜イスバディヒューヒュー!な、おねいちゃんのことである。…って、これは航空用語じゃないだろ!

【BWB】
 Blended Wing Bodyの略。→ブレンデッド・ウイング・ボディ

【B-3】
 1934年に米軍に制式採用された爆撃機搭乗員用の革製フライトジャケット。保温性に優れ、-20℃でもへっちゃらという性能を持つ…と言っても1930年代に作られた-20℃まで耐えられるジャケットである。重くてモコモコで、これを着たが最後、歩くだるまさん状態である。どてらにシープスキンムートンの内張をして、その上から革ジャンを着た感じ…と言えばお判り頂けようか?肘や肩が思うように動かないから腕組みができないのである。髪の毛に手が届かないのである。実際には機関銃手などはこの上からさらに防弾用のプロテクター(野球のキャッチャーが付けている、あのプロテクターが鉄板でできている、と思いねぇ)を身につけていたから、ホントに身動きがとれなくなる。だいたい、最低気温が零度になるかならぬかの東京で、これを着るなんてのは相当度胸のいることである。暖房の効いた建物内や満員電車ではサウナスーツ状態になるし、脱げば脱いだで、汗をかいてるから相当寒い思いをする。アメリカンなバイクを真冬でもガンガン乗り回す人にはお勧め…なのだがヒコーキにもバイクにも一切関わりのない芸能人やらプロ野球選手なんぞにやたらとご愛用者が多く、B-3の下はTシャツ一枚で、金のネックレスとダイヤの嵌ったロレックスなんぞを着け、スモークフィルムを貼ったベンツで六本木あたりにでもに乗り付けるのが、今日における正しいB-3の着こなし術、なのだそうである。何だかなぁ…。

【B44】
 日本航空国内線時刻表の『使用機材』項目で使われるボーイング747-400の略号。なぜか同社の国際線時刻表では、同じボーイング747-400の略号が『744』とされている。
C

【CAB】
(1)日本では国土交通省航空局のことで、Civil Aviation Bureauの略。元をただせば、野放し同然だった民間航空に対する規制の必要を訴えた田中義一陸軍大臣の発案から、大正8年(1919年)勅令(!)第四五八号で設置された臨時航空委員会が最初で、翌年、陸軍省の外局となる…つまり日本の民間航空行政は軍の管理下でスタートしたというわけ。但しこの頃は、まだ航空管制は行われていない。
 そのあと、逓信省(後に郵政省などを経て現在の総務省)航空局、運輸省通信航空局を経て、昭和20年(1945年)5月に運輸省航空局になったのだけれど、そのころには民間航空どころの騒ぎじゃなくなっていて、敗戦で我が国の航空活動がGHQ(連合軍総司令部)によって全面禁止にされるとともに廃局。この頃に、日本に進駐した米軍管制隊(AACS)によって本格的な航空管制が始まっている。その後1946年には、米軍が設置した航空保安施設の維持のため、逓信院電波局航空保安部が発足。その後、逓信省航空保安部、電気通信省航空保安部、航空保安庁、航空庁…とほぼ毎年のように名前を変え、昭和25年(1950年)に運輸省航空局となり、昭和34年(1959年)航空路管制業務の日本政府への移管などを経て、現在の国土交通省航空局に至っている。
 なお、CABは『キャブ』ではなく、『シー・エー・ビー』と読む。

(2)米国においては、1984年に廃止になっている民間航空委員会、Civil Aeronautics Bureauの略。

【CADIN】
 Common Aeronautical Data Interchange Networkの略。航空交通情報システム。フライトプラン、気象情報、NOTAM、捜索救難情報など、運航に必要となる情報の伝達、集配信を行う情報通信システム。

【CAG】
 Commander Air Groupの略で、航空団司令、または航空群司令。航空団司令はCommander Air Wingだったような気がするが…?

【CAS】
 Close Air Supportの略で、近接航空支援。攻撃機や爆撃機が前線航空統制官(FAC)の指示により攻撃を行い、地上部隊の攻撃を支援する。

【CAT】
(1)CIVIL AIR TRANSPORTの略。アメリカ中央情報局(CIA)の肝煎りで設立されたと言われる台湾の航空会社、民航空運公司のこと。中華航空の前身とよく言われるが、全くの別物である。当初は民航空運隊の名称だった。台北をハブに、東京、岩国、ソウル、香港、マニラ、バンコクなどに就航し、DC-6やC-46、のちにコンベア880などを運航していた。1950年頃の設立だそうである。機体はピンクの帯に機首にはドラゴンの絵、とか、金色帯にこれまた機首にはドラゴンとか、なかなかすごいセンスの外観だったが、機内もラーメン丼みたいな中華趣味全開バリバリのものすごいモノだったそうだ。空飛ぶ横浜中華街状態だな。回るテーブルはなかったようだが…。ジェット便の愛称が『超級翠華號』ってのも、よくわかんないけどものすごいね。日本支社は立川の米軍基地内にあり、これだけでも十分怪しいのだが、朝鮮戦争の真っ最中に釜山へ飛んでいたとか、雲南省の山中に秘密のフライトをしていたとか、乗客の多くは日本の税関をフリーパスするような人物だったとか、異常に重い外交行嚢を積んでいたなどなど、怪しい噂が山ほど出てくる航空会社だった。八重山諸島では南西航空(現在の日本トランスオーシャン航空)に先駈けること12年前の1955年に、初の民間航空路線を開設している。1968年2月、台北でCFITによりB727を墜落させる事故を起こしているが、このとき操縦していたのが立場や職権を乱用した同社の重役で、この事故をきっかけに消滅の道をたどる。最後まで怪しい航空会社だった。
(2)City Air Terminalの略。空港行きバス停というイメージが強いが、搭乗手続きや出国審査を行うことができる空港ターミナルの出先というのが本来の姿。CATで搭乗手続きを行っていれば、空港までの公共交通機関に遅れが生じても飛行機は待っていてくれる(まあ、程度にもよるが、後続便への振り替えや、払い戻しとなった場合でも有利に扱ってくれる…)し、CATで手荷物を預けておけば、空港で重いスーツケースを引きずり回す手間も省ける。いいことずくめなのに、日本ではなぜか利用率が低迷し、あちこちのCATで搭乗手続きの取扱をやめてしまい、ただの空港行き待合室と化している。ついに東京シティエアターミナルでも搭乗手続きや出国審査ができなくなってしまった。そうなった理由は簡単で、航空会社、あるいは利用する航空券によってはCATでの手続きができないという点が敬遠されたため。慣れない海外旅行で、ただでさえいろいろ注意しなければならない点が多いのに「この航空会社はダメ、このチケットはダメ」では、利用できる航空会社の乗客まで敬遠してしまうのは当たり前。
(3)Clear Air Turbulenceの略。晴天乱気流のことで、瞬間最大風速は250ktにも達する。目には見えず、レーダーにも映らないため回避は非常に難しい。 また発生する時間や空域も変化が激しく、予測は難しいとされている。
(4)CATegoryの略で、ICAOが定める着陸のための最低気象条件および進入・着陸の運航条件。飛行場に設置されている誘導設備によってCAT I(1)〜CAT III(3)A・B・Cの5種類のランクに分類されている。実際にはこのカテゴリ区分に、さらに機上装備、乗員の資格、他の気象条件なども加味して着陸可能か否かを決定する。日本では成田、関空、釧路、熊本などがCAT III(3)Aでの運行が許可されている。
1.CAT I(1):RVR(滑走路視距離)が550m以上または海上視程が800m以上の場合で、接地帯標高+200ft以上の高度で滑走路が視認できることを着陸の条件とする。
2.CAT II (2):RVRが350m以上の場合に、接地帯標高+100ft以上200ft未満の高度で滑走路が視認できることを着陸の条件とする。
3.CAT III(3)A:RVRが200m以上の場合で、DH(決心高)が設定されていないか、または接地帯標高+50ft以上100ft未満まで降下して滑走路が視認できる場合に、精密進入・着陸を行う運行が可能となる。
4.CAT III(3)B:RVRが50m以上200m未満の場合で、DHが設定されていないか、または接地帯標高+50ft未満まで降下して滑走路が視認できる場合に、精密進入・着陸・着陸滑走を行う運行が可能となる。
5.CAT III(3)C: DHの制限を受けず、かつ外部のビジュアルリファレンスに頼らずに、つまり全く外が見えない状態でも着陸・地上滑走を行うことが可能となる。

【CB】
 CumulonimBusの略で、積乱雲のこと。国際略号では『Cb』と表記される。→積乱雲

【CFIT】
 Controlled Flight Into Terrainの略。シーフィット、と読む。NASAの定義では「航空機が乗員の制御下にあり(機体に異常がない状態と言う意味)乗員が何ら差し迫った危機意識を持たないまま、地表(加えて水面や障害物など)に衝突する事故」とされる。航空死亡事故の4割を占めると言われる。→シーフィット

【CFRP】
 Carbon Fiber Reinforced Plasticの略。軽量でありながら強度や剛性に優れ、大型機の尾翼主構造から釣り竿や三脚に至るまで広く用いられるようになってきた複合素材の一種。一般に『カーボンファイバー(炭素繊維)』と呼ばれているものだが、カーボンファイバーはCFRPの補強繊維そのもののことであり、正しくは炭素繊維強化プラスチックまたはカーボンファイバー強化プラスチックと呼び、FRP製品のひとつである。補強繊維として用いられる主な炭素繊維には、ポリアクリルニトリルを原料とするPAN系炭素繊維と、石油または石炭タールを原料とするピッチ系炭素繊維があり、PAN系炭素繊維は強度を重視する用途に、ピッチ系炭素繊維は剛性を重視する用途に用いられる。1959年にユニオンカーバイト社がレーヨンを原料として工業化したのが最初で、同じ年に大阪工業試験所の進藤博士によりその後主流となるPAN系炭素繊維が発明され、1970年以降繊維メーカーにより工業化された。一方のピッチ系炭素繊維は1976年にユニオンカーバイトが工業化している。原料となる繊維を不活性雰囲気中で焼成・炭化することによって作られ、1,000℃〜1,500℃で焼成した繊維をカーボンファイバーと呼び、2,500℃〜3,000℃で焼成し、人工の黒鉛結晶を繊維方向に配列して炭素含有率98%以上としたものは『グラファイトファイバー』と呼んでいる。炭素繊維は直径10μm程で、これを3,000〜12,000本束ねたトウと呼ばれる繊維束がCFRPの素材となる。CFRPは、このトウで織られた『布地』を、布目の方向をずらして重ね合わせたものにマトリックスと呼ばれるエポキシ樹脂をしみ込ませ、型などに沿わせて成形し、オートクレーブと呼ばれる圧力容器の中で加熱硬化させて作られる。CFRPにおける炭素繊維と樹脂の割合は、体積比で炭素繊維60%、樹脂40%程度となっている。→カーボンファイバー

【chopper copper】
 ヘリコプターで上空からパトロールに当たる警官。

【COB】
 Controlled Over Bookingの略。→オーバーブッキング

【CRS】
 Computer Reservation Systemの略。航空会社の予約システムのこと。提携ホテルの予約とか、ブロードウェイのミュージカルやオペラの観劇予約とか、誰がどの便に乗っているかとか、オーバーブッキングになるから、あとあとうるさい某長野県知事を優先して乗せちまって、この必死になってマイルを貯めてるヤツにマイルおまけして後の便に乗せてしまおうとか、結構いろいろできるようだ。CRS端末といえば航空券の予約・発券を行うクライアントマシンのこと。航空会社や旅行代理店に置いてある、航空会社のロゴ入りパソコンみたいなヤツだ。最近はインターネット経由でパソコンや携帯電話からでも航空券の予約ができるようになったけれど、これらは発券機能を持たない(当たり前だ!)のでCRS端末とは言わない。

【CT】
 Circle Tripの略で、周回旅行のこと。出発地に戻るのは往復旅行(RT)と同じだが、航空機による移動が3区間以上あり、往路と復路で運賃が異なるものをいう。

【CTOL】
 Conventional Take Off and Landingの略。滑走路を延々と突っ走って離陸し、着陸してからも延々と突っ走ってようやく止まる普通の飛行機のこと。短距離離着陸機STOLや垂直離着陸機VTOL以外の、その他大勢の飛行機のことである。

【CV】
(1)米海軍の『航空母艦』を表す艦種記号。『C』は『Carrier』の頭文字だが、『V』は翼を意味する象形文字で、何かの頭文字ではない。CVにはさらに分類としてアルファベット1〜2文字を付記して『CVA(攻撃空母)』『CVAN(原子力攻撃空母)』『CVB(大型空母)』『CVL(軽空母)』『CVN(原子力空母)』『CVS(対潜空母)』などがあったが。現在ではCVL、CVSに相当する艦はなく、その他もCVとCVNの2種類のみに整理されている。
(2)『CV:井上喜久子』という場合は『空母 井上喜久子』ではなく、Character Voiceの略。声優のことだが、アニメやゲームキャラクターの声を演じる場合に限って使われ、ナレーションや洋画吹き替えの場合はCVとは言わない。
D

【DASH】
 Drone AntiSubmarine Helicoptorの略。米海軍や海上自衛隊で1960年代に(海上自衛隊は1979年まで)使用していた二重反転ローター式対潜無人艦載ヘリコプターQH-50。胴体下に対潜魚雷をつり下げた巨大ラジコンヘリだ。人が乗るようなヘリコプターでは小型艦船での運用が大変だし、搭乗員の養成も数が多くて追いつかないということで作ったらしい。航続距離は130km、航続時間は1時間45分と短い。母艦のソナーと連動したシステムで基本的な制御が行われる。事故多発で損耗率が高く、そうこうするうちに「やっぱり人が乗っているヘリのほうが、何かと都合がいいや」ということになり、しかも搭乗員の数も揃ってきたので『ただの空飛ぶ魚雷運搬装置』はお役ご免になってしまった。 米陸軍が譲り受けて今でも使っているそうだけど…。

【DDH】
  Helicopter Destroyerの略。…Dが一個足りないぞ、しかも並びが逆だ…。ヘリコプター搭載型護衛艦(駆逐艦)の艦種記号。対潜捜索攻撃に用いられ、護衛艦隊を構成する護衛隊群の旗艦を務める。1973年に竣工した『DDH141 はるな』1974年に竣工した『DDH142 ひえい』の『はるな』級2隻と、『はるな』級の改良型で1980年竣工の『DDH143 しらね』1981年竣工の『DDH144 くらま』の『しらね』級2隻の計4隻があり、各艦がSH-60J対潜ヘリコプターを3機ずつ搭載している。ヘリコプターを搭載する護衛艦といえば、『はつゆき』『むらさめ』『あさぎり』各級もヘリコプターを各艦が1機ずつ搭載しているが、こちらのほうは汎用護衛艦(駆逐艦)を表す記号『DD』が充てられている。海上保安庁のヘリコプター搭載巡視船『PLH』は、1機でも搭載可能であればPLではなくPLHとしているが、護衛艦の場合、複数搭載可能でなければ『DDH』とはしないようである。DDHという艦種記号は世界的にも非常に珍しく、編者の知る限り海上自衛隊が保有しているのみである。というのも、他の国では駆逐艦に搭載するヘリコプターはせいぜい1機で、複数搭載する場合はヘリ空母を建造してしまうからである。『はるな』級計画段階では、同様のスペックでヘリ空母も検討されたが、結局駆逐艦に無理矢理大型の格納庫を備えるという形に落ち着いた。その後20年以上を経て建造された『おおすみ』級輸送艦が、なんとなく空母に似ていると言うだけで一部の政治団体が騒いだぐらいだから、ヘリ空母をとりやめた判断は、運用上の問題はさておき、政治的には正解だった。
 余談だが、『DDH143 しらね』の艦名は、時の防衛庁長官金丸信が、自分の選挙区『山梨県中巨摩郡白根町』にちなんで、進水式の壇上で勝手に付けたもので、群馬県の白根山でも栃木県の前白根山でも群馬県吾妻郡草津町の草津白根山でも群馬県利根郡片品村の奥白根山でもない。『DDH143』には本来ならば『こんごう』の艦名が充てられるはずだったが、このおかげで進水式では艦名の除幕ができなかったし、当然艦尾の切り抜き文字は後日削ってやり直しである。進水式の数日後に金丸の地元から支持者が、防衛庁へ酒瓶持ってお礼にやって来たと言うから、厚顔無恥にも程があるな。白根町にも一応、白根山なる山があるらしいが、小高い丘だそうである。いつの時代にも職権を乱用して勝手なことをやらかす政治家は尽きないが、ここまで情けない、というか下らない職権乱用は他に例がない。

【DEST】
 DESTinationの略。→デスティネーション

【Deviation】
 デヴィエーションと読む。
(1)正しい針路から外れること。あるいは、予定していた針路上にある積乱雲などを回避するために針路変更すること。管制官は「でびでび」と呼んでいるとか。北九州発大阪行きのYS-11が積乱雲の行列を避けているうちに、足摺岬の南方まで行ってしまったというケースもあったらしい。

(2)磁気コンパスの示す方位と実際の磁方位との差。磁気コンパスは使用環境などにより狂いが生じてくるため定期的に測定や調整が必要となるが、周囲の金属物や送電線などにも影響されるため「いつでもどこでもちょちょいと調整」とはいかないし、またやってはいけない。飛行場では周囲からの磁力の影響が少ない場所がコンパス調整所として選ばれていて、ここで測定や調整を行う。

【DG】
(1)Dangerous Goodsの略で、飛行機に積んではいけない可燃物、火薬類、腐食性薬品などの危険品。
(2)《S》転じて、いつキレるかわからない人物を指す。「ここのマネージャ、DGだから気を付けて…」という具合に使う。

【DH】
 
Decision Heightの略。決心高度という。CAT II(2)の場合、DVは100ft(約30m)で、滑走路視距離は350mと定められており、高度100ftまで降下しても視界不良などで滑走路が視認できない場合は、直ちに着陸を取りやめ上昇する。

【DHC】
 コンビニ・通販化粧品の会社。DHCとは大学翻訳センターの略である、ってどこでそういう豆知識を仕入れてくるかなぁ?もちろんそれもあるが、飛行機の話をしていてDHCといえば、コミューター機で有名なデハビランド・カナダ社のことである。

【DST】
 Douglas Sleeper Transportの略。1936年にアメリカン航空がニューヨーク・シカゴ間などに投入した寝台機。中央の通路を挟んで下段寝台巾91cm、上段寝台巾76cm、長さ196cm、16名分の二段寝台が設置され、上段寝台用の小窓も設けられていた。下段寝台を畳み、上段寝台を跳ね上げると最大28名の乗客が搭乗できる。当時全盛を誇っていた寝台列車会社プルマン社で、セクションと呼ばれていた寝台車の車内形式を飛行機に持ち込んだもので、プルマン・セクションは、現在でもJRの急行銀河や急行きたぐにのA寝台車に見ることができる。DSTの機体そのものはダグラスDC-2の主・尾翼、胴体を拡大し、大出力エンジンに換装したもの。DSTの寝台に換えて座席21席とし、上段寝台の小窓を廃した昼行型が、かの有名なダグラスDC-3である。DC-3は第二次大戦中は軍用輸送機C-47として大量生産され、その総数は1万機にもなった。また、戦前日本に輸出されたDC-3が海軍の零式輸送機の名で、戦前から戦中ソビエトに輸出されたDC-3やC-47がPS-84、のちにリスノフLi-2の名でそれぞれライセンス生産…つーか、コピー生産されている。零式輸送機22型は、戦後行われた連合軍による調査で、オリジナルであるダグラスDC-3の性能を、あらゆる点で凌駕していたとの調査結果も出ている。でも、コピーはコピーである。
E

【ECM】
 電子対抗手段。Electronic Counter Measuresの略。チャフと呼ばれる金属箔や、妨害電波などを使い、敵のレーダーや通信などを妨害する手法の総称。戦争なので当然ECMにも対抗手段があり、ECMの対抗手段はECCMという、さらにECCMの対抗手段はECCCM、ECCCMの対抗手段が…と、ドツキ漫才のボケとツッコミのように延々と続く。この応酬に出遅れるか力尽きた方に『オチ』がつくのは言うまでもない。

【EDS】
 Explosive Detection System。X線による手荷物検査装置の一種。小出力のものは日本の空港にも導入されている。手荷物預かりカウンターの前に置いてある比較的小さな検査機がそれである。海外の空港では爆発物探査のための大出力のものが最近相次いで導入されている。ワンボックスカー並の巨大な検査機なので一目でわかる。大出力EDSは、従来の手荷物検査装置の100倍以上という1〜3ミリシーベルトという照射量を、周りから取り囲むように手荷物一個あたり700回以上にわたって照射し、中身が何であるかよくわからないものがあったら、そこに集中してさらに強力なX線を照射するという、なかなか凶悪な検査装置。X線の照射量も時間も回数も従来のX線検査装置とは桁外れである。アメリカではすべての空港に大出力EDSを設置し、すべての預け入れ手荷物の検査を行うよう連邦航空法で定め、世界各国でも米国政府からの要請(あつりょく、と読む)で導入が急ピッチで進んでいる。日本でも数年以内に、成田、関西を皮切りに順次大出力EDSを導入してゆく予定である。最近この大出力EDSによる写真フィルムの感光被害が相次いでいる。フィルム保護用のシールド袋など全く役に立たず、撮影前のフィルムも、撮影後のフィルムも全く使い物にならなくなってしまう。EDSからフィルムを守るには、フィルムを絶対に預け入れ荷物に入れず、自分自身で機内に持ち込み、チェックは手作業で行うよう求めるぐらいしか手はなく、最も確実なのは未現像のフィルムを持って飛行機に乗らないこと。これしかない。現像済みフィルム、プリント、デジタルデータであれば影響はない。一番面倒がないのは、何と言ってもデジカメである。なお、日本の空港にもある小出力のEDSは、100回通してもフィルムには影響を及ぼさないとメーカーのカタログが謳っているので、こちらはそう心配しなくてもいい。

【ELT】
 Every Little Thing…ではない。Emergency Locator Transmitterの略で、遭難信号の発信装置。機体の縦方向に5〜7Gの加速度を受けるか、あるいは水中に没した場合、緊急用通信周波数121.5MHz(民間用)と243MHz(軍用)の2波を自動的に発信する。

【ETOPS】
 双発機による長距離進出飛行。Extended range operation with TwO-engine air PlaneSの略…って無理矢理だなぁ。1953年にETOPS60が設定されたのが最初。ETOPS60は、緊急着陸のできる飛行場から、エンジンが一基不作動になった状態での巡航速度で59分以内の地域に双発機を封じ込めたもの。その後30年余りを経てジェットエンジンの信頼性が向上したことに伴い、双発機の洋上飛行における規制緩和を目的として、近年徐々に緩和される方向にある。おかげで需要の少ない路線で無理矢理巨大な747を飛ばす必要はなくなったが、DC-10(MD-11)やL-1011といった3発機は中途半端な存在となり急速に活躍の場を狭められている。ETOPSの恩恵を最も受けたのが777であろう。
 緊急着陸のできる飛行場から、エンジンが一基不作動になった状態での巡航速度で60分を超え、120分未満の地域を飛行可能としたものを『ETOPS120』180分未満を『ETOPS180』としてランクされ、現在最高を207分に引き上げる『ETOPS207』が検討されている。ETOPS180により、北半球の主要都市間はほぼ双発機によるカバーが可能となったが、一部のルートでは大圏航路から外れて陸地伝いに飛ぶ必要があった。ETOPS207では殆どのルートで大圏航路でのフライトが可能になる。ETOPSは、対象となる機体を運航していることを条件とし、ある一定の基準を満たした航空会社に付与される『資格』のようなもので、航空会社によってランクは異なるし、トラブルの多い航空会社は格下げあるいはETOPSを喪失することもある。 ETOPSが可能な機体を所有していても、運航する航空会社に資格がなければ宝の持ち腐れと言える。

【EVAC】
 EVACuationの略で、緊急脱出のこと。旅客機の客室の扉には窒素ガスや炭酸ガスで膨張・展開するエスケープスライド(滑り台)が設けられていて、扉の寸法や数、
通路幅などといった脱出設備の設計に当たっては、 夜間に満席で乗客の半数が老人と小児という条件下で、90秒以内に乗客乗員全員が機外への脱出を完了できるよう米連邦航空局の規定で要求されている。当然その条件で実証試験を行うことも義務づけられていて、乗務員役の航空機メーカー社員が、乗客役の実験参加者をエスケープスライドからバンバン突き落として実証試験をクリアするのである…って、あ、これ、言っちゃまずかったですか?

【E767】
 ボーイング767-200をベースとして作られたAWACS(Airborn Warning And Control System、空中早期警戒管制機)767の胴体の上に櫓が組まれ、その上でロートドームというレーダーアンテナを内蔵した円盤を回している。1998年3月に航空自衛隊に引き渡されたのが最初。これまでAWACSの代表格であったE3セントリーの生産が終了しているので、以後ボーイング製AWACSはすべてE767になるはずだが、現時点では自衛隊に続くAWACSの受注はない模様。冷戦が終結し、代わって民族対立などの地域紛争の多発が懸念される昨今、大規模な航空戦力のぶつかり合いは昔話になりつつあり、新たに高価なAWACSを無理してでも買おうとする国はそう多くはないだろう。E3の代替えに期待を繋ぐしかない。これまでに生産されたのはわずか4機で、浜松の警戒航空隊第601飛行隊にその4機すべてが配備されている。と言うことは世界中のE767が、すべて浜松にいることになる。良く言えばピカピカの最新鋭AWACS、悪く言えば世界遺産級の珍機である。ボーイングから自衛隊に引き渡される直前に内部を視察した米空軍のお偉いさんは「広くていいなぁ…」と感想を述べたとか。…えっ、それだけなの?
F

【Fてん】[F転]《S》
 Fighter転換の略で、戦闘機操縦士から他の機種への転換、あるいは職種転換をした者をいう。航空自衛隊員が使うスラング。戦闘機を降りるのは健康上の理由などいろいろあるが、多くの場合本人にとって不本意なことであり、使い方には要注意。

【FAC】
 Forward Air Controllerの略で、前線航空統制官。地上部隊に同行するかまたはコイン機などに乗り、攻撃機へ攻撃目標を指示したり、空挺部隊の降下地点で気象通報を行ったり、輸送機を空挺部隊の降下予定地点へ誘導したりする。地上部隊と航空機との橋渡し役である。 変な発音でトラブルになるぐらいなら、素直にエフ・エー・シーと呼んでしまおう。

【FBW】 
 Fly By Wireの略。→フライ・バイ・ワイヤ

【FEN】
 Far East Network。極東放送網。現在のAFN(American Forces Network。米軍放送網)→AFN

【ferry flight】
 愛車と一緒に飛行機で旅行…ではなく、メーカーからの納入や運用の都合などで空荷で飛ぶフライト。陸上の乗り物でいう『回送』のこと。軍用機の場合は単なる『移動』も指す。→フェリー

【FFP】 
 Frequent Flyers Programの略。いわゆるマイレージサービスのこと。FFPはマイレージカードと呼ばれる顧客カードを発行して顧客1人1人のデータを捉え、顧客を利用区間や利用頻度などによって選別し、サービスや特典を変えることによって個々の顧客に最も適したサービスを提供して、優良固定客の維持・拡大を図るマーケティング手法。1981年にアメリカン航空がマイレージ・ポイントを提供したのが始まり。ちなみに家電量販店などでおなじみのポイントカードもFFSと同じ考えに基づくもので、ポイントカードの場合はFSPと言い、Frequent Shoppers Programの略。
 FFPやFSPといったマーケティング手法が登場する背景には、企業の売上の80%は顧客の上位20%によってもたらされるという定説があり、上位顧客ほど企業の利益に貢献している。また、新規顧客を獲得するコストは既存顧客維持にかかるコストの5倍以上という説もある。さらに、顧客カードを発行することによって顧客の個人情報を取得し、購入(搭乗)実績と組み合わせてデータベース化することで、顧客のニーズに合った商品を効率よく売り込むことができる。企業にとっては特典を還元してもおつりが来るほどいいことずくめ。昔の商人の教え「損して得取れ」は正しかったのだ。

【FIT】
 Foreign Independent Tourの略で、個人旅行のこと。旅行情報誌で『あなたにFIT(フィット)した自由旅行!』とダジャレで銘打っているので、ご存知の方も多いだろう。旅行業界の用語である。既存のパッケージツアーでは飽き足らない人が、自分で立てた計画をもとに、往復航空券と宿泊、現地の交通手段などの手配をまとめて旅行代理店に依頼するもの。現地で宿を探したりする手間が省けるので便利だが、費用はパッケージツアーより高くつくこともある。

【FIX】
(1)発券後、往路・復路共に日付の変更が不可能な航空券。発券後の変更は一切不可で、全ての搭乗便、 搭乗日を決定しておく必要がある。 往路利用日から数えて一定期間内 (FIXの前につく期間内)に復路を利用しなければならない。
(2)フレームを固定し、カメラを動かさず、ズーミングなども行わずに撮影された画面。
(3)固定する、確定する、調整する、修理する、治療する、矯正する、記憶する、果ては罰を与える、八百長をする、麻薬を打つ…この調子で行くと、世の中のあらゆることなんでもFIXで片付けてしまっているようである。英語ってのは便利なのやら不便なのやら…。

【Flooded】
 滑走路上の広範囲に水が溜まっている状態。ハイドロプレーニング現象が発生する危険性が高く、最悪のコンディション。
 もっと最悪な状況では、高潮で海中に没してしまった空港とか、地下の受変電施設が大雨の濁流に呑まれてしまった空港なんてのもどこかの国にあったな。こうなるともう離着陸以前の問題だが…。

【FLY!!】
 Macintoshでは久々のジェネラルアビエーションフライトシミュレータ。といっても、ちゃんとWindows版もある。VFR(有視界飛行)を重視した作りで、航法ができない人ではお話にならない。雲のリアリティやシーナリーの距離感、地形の立体感はMSFSを凌ぐ絶品。但し、まともに飛ばすにはかなりの熟練が必要で、ゲームではなく『訓練用』に重点を置いている。MSFSで747の香港アプローチを決められるからといって舐めてはいけない。ちょっとMSFSをかじった程度の技量ではまともに飛べないこと請け合い。航空機の操縦はこんなに難しかったかと改めて痛感させられる。ライセンサーに言わせると「ゲームのプレーヤーではなく、航空機のパイロットであることを要求されるソフト」だそうである。とにかく腕を磨きたいという方、是非挑戦を。

【FOD】
Foreign Object Damageの略。異物による損傷。エンジンが鳥を吸い込んだとか、滑走路や誘導路、エプロンに落ちていた他機の部品をタイヤが踏んだとか、航空祭でコクピット見学に来た観客がピアスを落としていってスイッチの隙間に食ったとか、いろいろある。だからロシア機は小石や雑草を吸い込まないようにエンジンのインテイク(空気取り入れ口)に金網を貼っているし、航空祭はまだ陽の高いうちに終了して観客の落とし物や投げ捨てていったゴミを徹底的に拾い集めるのである。エンジンが異物を吸い込んで生じるトラブルをエンジンFODと呼び、コクピットの落とし物で電気回路をショートさせたり、スイッチやレバーが動かなくなるトラブルをコクピットFODと呼ぶ。なお、通は目にゴミが入ったとか、デジタル一眼レフの撮像素子にゴミが乗ったなどという場合もFODと呼ぶ。

【FOX1】
  『スパロー』などの中射程空対空誘導弾を使用(発射)する際に行う宣言。

【FOX2】
  『サイドワインダー』などの短射程空対空誘導弾を使用(発射)する際に行う宣言。

【FOX3】
  『20mmバルカン砲』などを使用(発砲)する際に行う宣言。

【F-2】ボタン 解説画像を別ウィンドウで表示
 航空自衛隊の支援戦闘機。日米共同開発と言えば聞こえは良いが、対米貿易収支を楯に、つ〜か、対米輸出を人質に、ロッキードマーチンF-16の設計図を主翼・電子機器抜きで押し売りされたのが実態。一説によるとF-16と同じ部品は垂直尾翼だけとも言われている。主翼下に対艦ミサイル4発と増槽燃料タンク2個をぶら下げるため主翼を新設計していて、F-16より一回り大きい。実際主翼に対艦ミサイル4発に増糟タンク二つ、対空ミサイル2発をくくりつけた『コミケ帰りの同人ヲタ』『アキバ帰りのPC自作ヲタ』みたいな姿を見ると、こんな状態でも飛行機って飛べるんだ…って感動ものである。 搭載しているアクティブ・フェイズドアレイ・レーダーが肉眼並みの性能だとか、主翼の強度に問題があるらしいとかいろいろ言われているが、三菱F-1の後継として配備が進められている。誰が呼んだか知らないが『平成のゼロ戦』なる二つ名を持つ。洋上遠くまで進出して4発のミサイルで日本に侵攻してくる艦船を屠るという目論見で作られているあたり『平成の陸攻』の方が相応しいようにも思うが…。

G

【GCA】
(1)Ground Controlled Approachの略。着陸誘導管制官がレーダーを監視しながら、音声で滑走路手前まで誘導する進入方式の一種。ILSを持たない戦闘機や練習機など軍用機で主に使われる。民間では大阪(伊丹)空港などに施設が残ってはいるが、ほとんど行われていない。
 本来は視界不良時などに行われるものだが、自衛隊では着陸のたびに訓練としてGCAアプローチを行っている。訓練を積むことでILSのカテゴリー I(1)に相当する誘導精度を獲得できると考えられているためだ。着陸誘導管制官はレーダー(PAR)に表示される平面の『コース』と、降下角『グライドパス』を見ながらパイロットに適切なタイミングで指示を出し、適正なコースへと誘導し、パイロットは管制官の指示を頼りに、まだ見えぬ滑走路へと降りてゆく。
 例えは悪いが要するに『スイカ割り』の要領だ。スイカ割り対抗戦(そんなのあるのか?)では着陸誘導管制官を味方に引き入れることが勝利の鍵と言える。
(2)《F》航空ファンの間では、集合場所など目的地への道順を知らない人を携帯電話などで音声誘導することを言う。「改札を出たら、コンビニの角を左に曲がって、右側の赤提灯の店ですよ〜。2階の窓から手ぇ振ってるの見える?もうみんなできあがっちゃってま〜す!」 このような場合、着陸誘導管制官は酔っぱらいであるため、誘導精度は極めて低い。

【GH】
 →グランドホステス

【G-LOC】
(1)G-LOss of Consciousnessの略。旋回やループなどによる加速度によって、脳への血圧が不充分となり、視野狭窄や意識喪失に至る一種の脳貧血である。耐G訓練を受けていない人は3G程度でG-LOCの前兆である視野狭窄や、目に見えるものから色彩が失われるグレイアウトという現象が起こり、さらに4G前後で目が見えなくなる、いわゆるブラックアウトに至り、5G前後で意識を喪失する。戦闘機では、後傾座席の装備、耐Gスーツの着用などでそれ以上のGに耐えられるよう工夫され、さらにパイロットの努力と根性が追加されるが、それでも8〜9G程度が限度である。但し、5G、6Gといった大きなGであっても、それがごく短時間であればG-LOCには至らない。以前富士急ハイランドにあったジェットコースター、ムーンサルトスクランブルは最大で6.5Gが掛かった(ちなみに現在の最高は、としまえんのシャトルループによる6G)が、こうした大きなGが掛かるのはごく短時間であるため、戦闘機パイロットや宇宙飛行士以外の人も安心して(…かどうかは人それぞれだが)乗ることができる。
(2)G-LOC AIR BATTLE。1990年5月に登場したSEGAのゲームセンター向け3Dシューティングゲーム。要するにゲーセンの空中戦ゲームである。なにしろ12年以上前のゲーム、飛行特性がどうとか失速が何だとか、そういう細かいことは一切考えず、敵機を追い回してガンガン撃ちまくるのである。同年11月にはR360という筐体に搭載されたG-LOC R360が登場する。360°ぐるぐる回る恐るべき筐体で、当時大いに話題となった。現在のコンバットシミュレーションゲームがあの筐体に搭載されたら、きっと大ヒット間違いなしであろう。G-LOCのプログラムは、のちに家庭用ゲーム機メガドライブにも移植されている。

【GPS】
  Global Positioning Systemの略。全地球航法装置と訳されている。カーナビで皆様毎度おなじみでありましょう。高度20,000kmの6つの軌道上にそれぞれ4個、計24個の航法用衛星が、地球上のあらゆる場所で最低4個の衛星から信号を捕捉できるように配置されていて、衛星が搭載した原子時計から送られる『時報』をGPS地球局(要するにカーナビや携帯用GPS受信機のことだ)が受け取り、4個の衛星の位置情報とそれぞれの『時報』の伝播時間によるずれから地球局の位置を算出する。位置を知るだけなら理屈の上では3個の衛星で事足りるのだが、地球局にも衛星と同等の精度を持つ時計が必要で、この時計整斉も衛星からの『時報』を利用しているため、4個の衛星が必要になる。
 カーナビの表示では『海に飛び込んだり』もするが、GPS本来の精度は『ミリ単位』で、2001年12月に発売された『ネイチャー』誌によれば、北半球の冬季、積雪によって地球が最大3mm『つぶれる』ことがGPSを利用して確認されている。航空機の航法での利用はようやく緒に就いたばかりだが、従来のINS、IRSよりも精度が高いため今後主流になるものと思われる。
H

【H】
 日本航空に於いて『H』といえばHoliday、つまり『休日』のこと。キャビンアテンダントのおねーさんが「明日はH」とか言っているのが聞こえても変な想像はしないように。日本航空以外では通じないのでご注意を。また、レーダー管制ではAからアルファベット順に管制圏を分けた中の『H席』のことで、H席の管制官と交代する場合、勤務に入る管制官は「Hさせて下さい」と言うのだそうだ。女性の管制官がH席にいる場合などは非常にまずいが、男同士でも如何なものかと思うぞ。というわけで、H席に関しては「交代します」とか「代わります」といった無難な言い方をするようだ。…いろいろ物議を醸す難儀な言葉である。

【Hき】[H旗]
 船舶用の信号旗のひとつで、右半分が赤、左半分が白の長方形の旗。メインマストにこの旗を一旒だけ掲げている場合、商船では国際旗旒信号の規定により「本船は水先案内人を乗せている」という意味になるが、西側諸国の軍艦が掲げている場合はNATO(北大西洋条約機構)の申し合わせで「本艦は航空機を運用中(航空機の発艦または着艦を実施中)」という意味になる。なお、旧帝国海軍の空母で艦載機の発艦中にZ旗(上から時計回りに黄色、青、赤、黒の三角形を組み合わせた長方形の旗)を一旒掲げている写真があるが、Z旗一旒の掲揚は本来「本船(本艦)は曳き船を求める」という意味である。有名な「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ。各員一層奮励努力セヨ」は旧帝国海軍のローカルルール。もう後がない最終決戦だからZ旗である。

【HEED】
 Helicopter Emergency Egress Device。ヘリコプター緊急脱出用水中呼吸器。救難ヘリ乗員が携行する小型の空気ボンベである。ヘリコプターは着水可能な一部の機種を除いて着水後すぐに沈んでしまうので、水中からの脱出用に装備する。使用方法は、マウスピースを口にくわえ、ボタンを押す、それだけ。HEEDで呼吸を確保しながらシートベルトを外し(あるいはナイフなどで切断する)ドアを開けて水面へと浮上する。このためSH-60Jなどでの洋上救難ミッションでは装備しているが、着水しても2時間程度は浮いていられるV-107Aなどでは装備を省略していることもある。ライフベストの胸の部分に専用のポケットがあり、普段はここに入れておくが、山岳救難などでHEEDが必要ない場合は、代わりに熊よけの催涙スプレーを入れていることもあるようだ。Spare Airと呼ぶ場合もあるが、Spare AirはHEEDを製造している米国Submersible社の商標である。ボンベの容量などにより10種類程度あるが、空気充填量48リットル、長さ22cm、最大充填圧200Kg/平方cm、重さ687gのものが多いようである。このサイズのもので呼吸回数にして30回程度、2〜5分間の呼吸確保が可能。マウスピース部分を含めた大きさは、500mlペットボトルをちょっと長くしたくらいである。日本国内での使用は高圧ガス取締法の規定により、ボンベとマウスピースの間にレギュレータを装備したものに限り使用が認められている。

【Helo】
 米海軍・海兵隊のヘリコプター。これでヒーローと読む。ちなみにヘリコプターから洋上に特殊部隊を降ろし、ゴムボート(ゾディ・アックと言う)などで敵地に上陸させることをヒーロー・キャスティングと言う。陸軍や警察のヘリコプターはChopper(チョッパー)と呼ぶが、ハリウッド映画では空母の飛行甲板で昼寝しているヘリを指して「あのチョッパーに乗って行け!」なんて言ってたりする。どっちが正しいんだい?

【Hero】
 航空自衛隊の救難ヘリコプター、UH-60Jのコールサイン。

【HOTAS】
 Hans On Throttle And Stickの略で、操縦桿(Stick)やスロットルレバー(Throttle)から手を離さなくても兵装の選択やレーダーの操作などを行えるように、操縦桿やスロットルレバーにスイッチ類を集約したもの。現在の戦闘機では、一つのレバーに6〜8個のスイッチが装備されているのは当たり前で、戦闘中に必要のないスイッチのみ、計器板に配置されている。

【HSST】
 High Speed Surface Transporterの略。日本航空が開発した磁気吸引浮上式常電導リニアモーターカー。ちなみにJRのリニアモーターカーは『磁気反発浮上式超電導リニアモーターカー』である。反発してみたり超がついたり、JRのほうがなんか偉そうだな…。まあそれはさておきHSSTだが、別にカタパルトの動力に使おうとかいうわけではなく、空港アクセスの交通手段というのがその目的だった。川崎の扇島でロケットブースターを付けて高速試験を行ったり、子会社に引き継がれて各地の博覧会で展示走行を行ったりしていたが、現在は名鉄が引き継いで名古屋港で実験中である。故にこれは航空用語に非ず。鉄道用語である。

【HTA】
 Heavier Than air Aircraftの略。→重航空機

【HUD】
 Head Up Display。45°に傾けた分厚いガラス越しに前方を見ながら、飛行(あるいは、戦闘)に必要な情報をインポーズできるようにした機器。ガラス板の直下に光源を置き、この光源を用いて情報を表示する。ガラス板に当たった光は、ガラス板がプリズムの役目をしてインポーズされる。計器板に目をやらずとも必要な情報が表示されるのでHead Up (頭を上げたまま見ることのできる)Displayである。第二次大戦中の戦闘機が装備していた光像式照準機が原型。似たようなモノが一部のオートフォーカス一眼レフにも搭載され、ファインダーに測距点や格子スクリーンなどが表示される。最近は車もHUDを装備していたりするが、何を表示しようが眼中なし、運転しながらケータイでメール打ってるようなボンクラドライバーには猫に小判、豚に真珠である…と言ってしまっては、猫や豚に失礼だな。

I

【ICAO】
 International Civil Aviation Organizationの略で、国際民間航空機関。国際航空交通の安全確保と能率化のために設置された国連機関で、1949年にシカゴ国際民間航空条約が発効すると共に正式に発足し、加盟国は1996年9月の時点で184カ国。加盟各国の航空関連法規はICAOの定める標準あるいは勧告方式に準拠することが求められる。本部はモントリオール(カナダ)に置かれ、少なくとも3年に1回は開催される総会、総会で選出された27カ国で構成される理事会、事務局から構成される。また、補助機関として航空技術を担当する航空委員会、経済分野を担当する航空運送委員会、国際法を担当する法律委員会、特定の一国に属さない航空保安施設の維持を担当する共同維持委員会、地域ごとの問題処理に当たる地域航空会議が置かれる。主な業務としては、航空保安施設、飛行場施設、航空規則、航空交通管制方式、通信組織、航空機の登録及び識別、気象情報の収集及び交換、航空図、国際航空運送、税関出入国手続きなどについて、総会において『標準』あるいは『勧告方式』の採択を行い、国際航空交通の安全確保と秩序の維持、能率化を推進している。

【INDIA】
 INDIA time。JST(日本標準時)のこと。いまだに西洋人の頭の中では、インドとジパングが一緒くたになっているらしい。→JST

【INDL】
 アナログ通信の×倍とかいうデータ通信ではない。INternational Date Lineの略で、日付変更線のこと。

【IRAN】
 その昔はペルシャと呼ばれた中東の産油国。最近は悪の枢軸とか呼ばれているが、そう呼んでいる国も似たり寄ったり…ってそういう話ではなく、IRANとはInspection and Repair As Necessaryの略。アイランと読むらしい。韓国の歌で「♪ア〜イラン、ア〜イラン…」ってそりゃアリランだ。定期点検または定期整備。自衛隊機の場合は3年(36ヶ月〜45ヶ月)に一度、機体メーカーか、メーカー指定の整備工場に送って機体のオーバーホールを行い、細部に至るまで検査・修理を行なっている。ちょうどいい機会なので大規模な改造を行ったりもする。

【IRAN入り】
 テヘラン行きの飛行機ではなく、IRAN(Inspection and Repair As Necessary。定期点検)に入ること。→IRAN

【ITうんちん】[IT運賃]
 『IT』だからインターネット予約割引運賃…ではない。ITはInclusive Tourの略。包括旅行運賃というパッケージツアー用の割引運賃で、宿泊や地上の交通手段、各種観光施設などのクーポン券とセットで販売されるもの。本来、航空券のみの販売はできない建前なのだが、売れ残って空席で飛ぶよりはまし、というわけで、航空会社の黙認で旅行代理店がIT運賃の航空券を単体で販売する。これが『格安航空券』の正体である。→包括旅行運賃
J

【JA】
(1)民間機登録記号で日本の国籍記号。
(2)日本航空と日本アジア航空の共用機材に入る社名ロゴ。JALとJAA、最後のLやAは『伏せ字』なので『JA』である。日航機が日本アジア航空機に化けて台湾に飛んでいるなんてことが中国にバレたら、日本の首相と外相と国土交通相が雁首揃えて中南海へお詫び行脚…ってことになっちゃう。内緒だよ。

【JAノL】《S》
 2002年から登場している日本航空システムの新ロゴを、文字で表現するとこうなる。インターネットの匿名掲示板で使われる。

【JD】
 IATAのコードで日本エアシステムのこと。IATAに登録された当時の社名がJapan Domestic airlines(日本国内航空)という、世にもドメスティックな社名だったものだから、IATAのコードは今なおJDである。日本国内航空は、1971年に東亜航空と合併して東亜国内航空(TDA)となり、1988年、国際線進出を機に日本エアシステムに社名を変更している。 日本エアシステムは2002年秋に日本航空との合併を予定しているから、このコードもどうなることか…。

【JET A-1】
 
主に旅客機や小型ジェット機が使用するジェット燃料。ケロシンとも呼ばれる…つまりは『灯油』引火点38℃以上、析出点-47℃以下で、ASTM D 1655で規定されている。第二石油類に区分され危険等級III(3)の比較的安全なもの。JIS規格では『航空タービン燃料油1号』と称する。JET A-1は99%が灯油で、これに酸化防止剤、氷結防止剤、腐食防止剤などが加えられている。灯油とはいっても、石油ストーブに使用すると添加剤で芯が痛むかもしれないのでやらない方がいいだろう。ポリタンクで夏を越した灯油よりはましだろうとは思うが…。
 旅客機の燃料はガソリンじゃないぞ。間違わないようにね、そこのニューヨーク特派員君。

【JFTOT】
 Jet Fuel Thermal Oxidation Testの略。航空タービン油(ジェット燃料)の熱安定性を評価する試験法。JIS K 2276で規定されている。航空タービンエンジン内で起こりうる条件に類似した加圧・過熱条件下で、試料油の堆積物生成度合を測定する。堆積物が少ないほど良好な燃料とされる。

【JJ】
(1)光文社の女性ファッション誌。
(2)JAL(日本航空)とJAS(日本エアシステム)の頭文字を取って、JJである。それだけである。

【JST】
(1)Japan Standard Timeの略。日本標準時。UTC(協定世界時=グリニッジ国際標準時)から+9時間。→INDIA
(2)《S》Japanese Strong Tea。濃くて渋〜い日本茶。おやぢなコクピットクルーがキャビンアテンダントに「JSTとABCちょ〜だい」というふうに使う。
K

【Kコンフ】《S》
 日本航空のエコノミークラス客席に個人用ビデオモニタを装備したもの。コンフィギュレーション(機内配置パターン)Kという意味だと思われる。アメリカ東海岸、ヨーロッパなどの長距離路線に投入されている。元々狭いエコノミークラスのシートピッチにビデオモニタを追加(押し込む、と言うべきか)しているのでとても狭い。その上飛行時間は十時間以上。苦情が殺到したのも当然で、後席への圧迫感を緩和するためにリクライニングの角度を制限しました。…ってどっかの与太話みたいなことを本気で言っている。その上この航空会社は正規エコノミー運賃旅客を対象にした上級エコノミークラスというモノがないから、バカ高い正規運賃でも格安航空券でも、どっちも同じ狭い座席に押し込まれるのである。これでも日本航空に言わせると「もっと狭い航空会社はいくらでもあります」だそうだ…。それはそれは興味深い。じゃあその、もっと狭い航空会社ってのを後学のために教えてくれ。
L

【Lady Penelope】
 ヴァージン・アトランティック航空の747-400、G-VFAB機のニックネーム。由来は言うまでもなく『サンダーバード』でおなじみ、国際救助隊ロンドン駐在エージェント、レディ・ペネロープ・クレイトン=ワード。 ロンドン-北米方面路線に投入されている機体で、日本ではお目にかかれないのが残念。
 そういえば、機体の登録記号にも何やら見覚えあるでしょ…?G-VFABの最初のGは英国籍機を表し、2文字目以降の文字の組み合わせは他の機体と重複しない限り自由で、次のVはVirgin atlantic、FABは『ペネロープ号』の名で知られるあのラズベリーピンクのロールスロイス、FAB1(ファーブ・ワン)に合わせてある。航空機の登録記号でこういう遊びをするとは、ヴァージン・アトランティックも大したもの…。もしかして機長はアロイシャス・パーカーかな?

【LD-3】
  ワイドボディ機の床下貨物室に搭載されるコンテナの一種。LD-3はATA(アメリカ航空運送協会)のコードでIATA(国際航空運送協会)では一般貨物用、保冷用など用途別にAKE、AVE、DKN、DVNなどのコードがある。LDとはLower Deckの略で、旅客機の客室床下にあたる部分のこと。胴体のアールに合わせて片側の下隅が斜めになったコンテナで、底辺の巾157cm、上辺の巾201cm、奥行き153cm、高さ163cm、積載量は最大で1.4t、自重は80〜150kgで主にジュラルミン製。ワイドボディ機床下搭載コンテナの基本サイズであり、LD-3の巾を2倍にしたコンテナはLD-6という。747、777、DC-10、MD-11、L1011、A300では2列搭載となる。747SRの場合はLD-3を最大24個搭載可能で、これだけで従来のDC-8F(貨物専用)一機分の量に匹敵する。胴体の細い767では一列搭載となる。空港でもっともよく見かけるコンテナ。東京大手町の東京国際郵便局などでもよく見かける。

【LL】
 Love Linerの略。→Love Liner

【Love Liner】
 ハセガワの1/200旅客機プラモデルは発売当初『Love Linerシリーズ』と銘打たれていた。Loveなんて平気で言い放っちゃうあたりに'70年代の香りが残っている。ラブ・アンド・ピースだ、ジャネット・リンだ。ああ、恥ずかしい…。ボックスアートには旅客機のバックに世界各国の民族衣装の人々や名所旧跡のイラストが入り、現在の『飛行機の写真だけ』のボックスアートとは違って、なかなかにぎやかで味があった。海外旅行がまだちょっと手に届きにくい時代だったんだよねぇ…。1/200旅客機モデルが世界標準の地位を不動にしたのは、このLove Linerシリーズの登場から。それ以前の旅客機プラモデルは、あまりにも巨大過ぎる1/100や、ワイドボディ機ではいささか手に余る1/144が主だった。

【LR】
 -300型以前のボーイング747のうち、SRを除いたものすべての呼称…というと、何か『その他大勢』みたいな身も蓋もない言われようだが…。Long Rangeの略。SRの登場による区分の必要からこのように呼ばれた。

【LTA】
 Lighter Than air Aircraftの略。→軽航空機
M

【MPM】
 Maximum Permitted Mileageの略で、公示直行運賃で旅行できる、もっとも長いマイル数。乗り継ぎなどを伴う経路の航空券に、安価な直行運賃を適用する基準となる最大迂回許容距離。出発地から経由地までの距離(TPM:Ticketed Point Mileage、実際に経由する区間毎に設定され、タリフに示されている運賃計算上の距離)と、経由地から目的地までの距離(これもTPM)を足して得られた距離(TTPM:Total Ticketed Point Mileage、利用するすべての区間のTPMの合計)を、タリフに表示された出発地から目的地(出発地からのMPMが最大となる場所)までの直行の場合のMPMと比較し、MPM以下の場合は出発地から目的地までの直行運賃を適用し、MPMを上回る場合は超過した距離に応じてタリフに示された割り増し率を直行運賃に適用する。
 旅行情報誌などの航空券の広告に『+○,○○○円で××にストップオーバー可』と書かれているのが、MPM超過分の割り増し額である。

【MSFS】
 
MicroSoft's Flight Simulatorの略。→マイクロソフト・フライトシミュレータ
N

【NATOコードネーム】
 旧ソ連とその同盟諸国の航空機とミサイルに、NATO(北大西洋条約機構)が付けていた識別用の名称。正確には『ASCC Reporting Name』と言う。NATOのASCC(Air Standardization Coordinating Committee)が1954年から定めている。例えばTupolev (ツポレフ)Tu-142"Bear F"とある場合、末尾の"Bear F"(ベアF)の部分がNATOコードネームにあたる。旧ソ連の航空機は、鉄のカーテンと呼ばれた厚い機密の壁に阻まれ、名称すらはっきりしない場合が多く、西側諸国は勝手に名前を付けて識別するしかなかった。ソ連当局が存在を積極的に公表していたのは国際線用旅客機ぐらいのものである。そりゃ当たり前か。形式がわからない機体なのだから、それがわかるまではコードネームだけで呼ばれていたのは言うまでもない。命名に当たっては、まず用途を推定し、爆撃機はB(例:Tu-22"Buckfire")輸送機はC(例:Il-62"Classic"…できた時から既にクラシック呼ばわりである)戦闘機はF(例:Mig-29"Fulcrum")ヘリコプターはH(例:Mi-24"Hind")その他(練習機、偵察機、電子戦用機など)にはM、空対空ミサイルはA、地対空ミサイルはG、空対地ミサイルはK、地対地ミサイルと対戦車ミサイルはSを頭文字として、適当な(まさに、てきとーな)単語を使用し、さらに派生型などが確認されるごとに、コードネームの末尾にアルファベット一文字をAから順番に追加して、派生型の識別に当てる。原型と派生型の立場が逆転するぐらいは日常茶飯なので、いちいち騒いではいけないし、電子偵察機かと思って命名したら、実は爆撃機だったというケースもある。さらには、同じ機体にいくつものコードネームがついてしまったりすることもままあったようだ。なお、戦闘機や爆撃機の練習機型(複座型)は当初、コードネームの頭文字をMとして、単座型とは別に扱っていたが、単座型と戦闘能力において大差ないとして、Mig-23以降は戦闘機や爆撃機の派生型として取り扱っている。
  最近はNATOコードネームとは別に、ソ連側が命名していた正式な愛称(…なんだそりゃ)が公表され、二重愛称状態になっている機体も数多く、かつてないややこしさである。

【NDB】
 Non Directional Beaconの略で、無指向性無線標識施設。計器飛行方式の経路上に設置された無指向性の無線標識。アウターマーカに併設されるNDBはコンパスロケーターと呼ばれる。190〜415KHzの中・短波帯で、二文字の識別符号をモールス符号で送信している。識別符号と周波数は航空図に示されており、機上のADF(自動方位測定機)でNBDの方位を知ることができる。NDBが使用する中・短波帯の電波は地形や電離層の影響などで誤差を生じやすく、また、NDB局の真上では電波が届きにくいためADFが誤表示をする場合がある。
 AMラジオ放送の電波もNDBの電波に近い特性を持っているため、航空図にはAMラジオ放送局の送信所の位置と、周波数が示されている。なにしろNDBが整備されるまで、AMラジオが電波標識の代わりを勤めたぐらいである。真珠湾攻撃の際にはホノルル放送の電波に乗って日本の攻撃隊がハワイを目指し、日本本土を爆撃するB29の編隊はNHKが流す空襲警報に乗って東京を目指したという。何とも皮肉な話である。

【NF】
 アメリカ海軍のCVW-5(第5空母航空団)所属機のテールコード。第5空母航空団の航空機は第7艦隊空母打撃部隊第77任務部隊第5空母群の空母キティホークに搭載されている…ああ長い。簡単に言ってしまえば空母キティホークの艦載機である。キティホークが定置港(…漁船じゃないぞ!)の横須賀に入港しているときには、CVW-5所属機は厚木基地(一部は硫黄島、プロペラ機は横田基地)で着艦訓練のタッチアンドゴーに明け暮れている。垂直尾翼のNFマークは、日本で一番なじみ深い米海軍機である。Nは太平洋艦隊航空司令部(カリフォルニア州ノースアイランド)隷下の部隊であることを表しているらしいが、Fの方はFiveの略とも言われるが謎である。編者は厚木基地でエヴィエイターに聞いてみたのだが「Nippon Fujiyamaの略に決まってるじゃないか!hahaha!(意訳)」とからかわれてしまった。愛国戦隊大日本かよ…。

【NH】
 IATAのコードで全日空のこと。IATAに登録された当時の社名がNippon Helicopter(日本ヘリコプター)という、世にも地味な社名だったものだから、IATAのコードは今なおNHである。全日空の社章である『レオナルド・ダヴィンチのヘリコプター』は、日本ヘリコプター時代の名残。→日本ヘリコプター

【NLP】
 Night Landing Placticeの略…ってめちゃくちゃ和製英語くさいんですけど、どうなんでしょ?艦載機夜間離着陸訓練。横須賀を定置港(…って、何か漁船みたいだな)とする米空母キティホークの艦載機は、キティホークが横須賀に入港している間、厚木基地に移動し、夜間離着陸訓練を行う。高度な技量を必要とする艦載機搭乗員には、こうした訓練が欠かせないというのが米軍の言い分。夜遅くまで静粛性なんか全然考えていない軍用機が次々とタッチアンドゴーを繰り返すため、厚木基地の周辺住民は大迷惑。わざわざ見物に行った(…行くなよ)編者も参った。そんな状況なので、硫黄島にNLPを移すことになったのだが、何もない硫黄島(幽霊なら出るぞ)で寝泊まりするのはいやだとか、かと言って厚木から硫黄島まで行くのも大変だとか、米軍もいろいろ駄々をこねている。

【NM】
 Nautical Mileの略、正しくは小文字で『nm』と書く。1nmは1海里(浬)であり、この距離を1時間で進む速度は1ノット(1kt、または1nm/h)となる。1nmはメートル法に換算して1.852kmである。

【NORAD】
 NORth American aerospace Defense commandの略。北米防空司令部。アメリカ合衆国とカナダの航空宇宙領域を守ることを目的として、1958年にカナダとアメリカ合衆国間との協定によって設置された。レーダー網と監視衛星によって地球上を飛行する物体を常に監視し、その監視能力はトナカイの鼻から発する僅かな熱からサンタクロースを発見・追尾可能であることが広く知られており、毎年クリスマスの夜には、NORADの公式webpageでサンタクロースの現在位置が公開されている。
 余談だが、サンタクロース氏のオフィシャルエアラインはフィンランド航空。世界中を飛び回るから、さぞやマイルも貯まるだろうと思いきや「年に一度しか乗らないので、あまり貯まりません…」とのことである。

【NOREC】
 NO RECordの略。航空券面では予約が取れていても、航空会社側には予約記録がない状態。非常にみっともないので、航空会社はオーバーブッキングとか、コンピュータトラブルがどうとか言って何とか誤魔化そうとするが、どの説明もみっともないことに変わりはない。

【NOTAM】
 →ノータム

【NUC】
 Neutral Unit of Constructionの略で、国際航空運賃の計算に用いられる通貨単位。ニュークと読む。1NUC=1US$で固定されている。
O

【OBC】
 On Boad Courierの略。→オン・ボード・クーリエ

【OW】
 One Way tripの略で、出発地から目的地までの片道旅行(片道航空券)のこと。訪問国からの出国用航空券(または乗車船券)を所持していない場合は相互査証免除協定の適用が受けられないこともあるため、予め訪問目的に応じた査証を取得しておく必要が生じる場合もある。
P

【PA】
 passenger addressの略。といっても乗客名簿ではない。機内アナウンスのこと。聞きやすいアナウンスとは、1分間にひらがなの文字数で450字前後、甲高い声は避け、なるべく低い声で話すようにした方が聞き間違いが少ないという。話すスピードは500字を超えると高齢者には聞き取りづらく、400字以下では高齢者のみならず若年層にも聞き取りづらくなる。キャビンアテンダントのPA訓練では、こうした点を徹底的に指導される。理想的なアナウンスの実例が、NHKアナウンサーの話し方だそうである。

【PBL】
 Passenger Boarding Liftの略。→リフトバス

【PKO】
(1)Peace Keeping Operationの略。国連平和維持活動。和製英語なので日本人にしか通じない。
(2)《S》ペンキ塗り、草刈り、大掃除の略。自衛隊の三大任務である。おかげで自衛隊の基地や駐屯地には、明治時代の赤煉瓦倉庫とか、築70年の格納庫なんてのが今なお現役だったりするのである。

【PLH】
 海上保安庁のヘリコプター搭載巡視船。Patrol Large vessel with Helicopterの略。砕氷巡視船『宗谷』(元海軍特務艦、のちの南極観測船、宗谷)の代替として昭和52年度予算で計画された3000t級、ベル212ヘリコプター1機搭載砕氷巡視船『PLH01 そうや』を皮切りに『そうや』型から砕氷能力を省略し、昭和54年度以降に計画された汎用型巡視船『PLH02 つがる』と、同型船『PLH03 おおすみ』『PLH04 はやと』『PLH05 ざおう』『PLH06 ちくぜん』『PLH07 せっつ』『PLH08 えちご』『PLH09 りゅうきゅう』『PLH10 だいせん』昭和58年度以降に改正SOLAS条約(the international convention for the Safety Of Life At Seaの略、海上における人命の安全のための国際条約)批准対応として計画され、哨戒能力を増強した5000t級、ベル212ヘリコプター2機搭載型『PLH21 みずほ』と、同型船『PLH22 やしま』平成元年度補正予算で、再処理プルトニウム輸送護衛用として計画された7000t級、アエロスパシアルAS332L1ヘリコプター2機搭載型『PLH31 しきしま』の、あわせて13隻がある。

【PNR】
 Point of NoReturnの略。Point of noreturnというと「♪夏草が〜流れてく〜」ってな歌もあるが、モノの本によれば、洋上などでトラブルが発生した場合に、燃料の残量から出発地に引き返すか「もう目的地まで行くしかない!」という判断を下す基準点『引き返し不能点』という意味の航空用語と説明されている。で、その航空用語を解説している本では、航路の途中のある地点から出発地へ引き返した場合、着陸時に残存燃料がゼロになる最大進出点『不帰投点』のこととされている。う〜む、なんか同じような違うような…。

【PPIスコープ】
 レーダーの表示画面。丸い画面の中心から光の線がくるくる回っている、船のブリッジや管制塔などでおなじみ(…どんな人がおなじみなんだ?)のレーダー画面のことである。飛行機の機首に付いているレーダーの場合は、光の線が中心からくるくる、ではなく、画面下端を軸に、光の線がワイパーのように左右に動く。

【Prayer Room】
 堕落しきった西洋文明に毒されたPlayer Roomではない。サウジアラビア航空747-400の客室最後尾に設置されている『礼拝室』である。中はどうなっているのかわからない。イスラム教徒はメッカの方向に向かって祈りを捧げると言うから、メッカの方向を示す表示器ぐらいはあるかもしれない。礼拝中に飛行機が旋回すると「こんどはこっちだ!」と大騒ぎになったりして…。アラー・アクバル(アラーは偉大なり)…。

【p-static noise】
 Precipitation static noise。→プリシピテーション・スタティック・ノイズ
Q

【QANTAS】
 赤い尾翼にカンガルーマークでおなじみのオーストラリアの航空会社、QANTAS AIRWAYS。QANTASってどういう意味かというと、 Queensland And Northern Territories Aerial Service limitedという、長ったらしい社名の頭文字を取って、QANTAS。元はといえば1920年に設立されたクィーンズランドとノーザンテリトリーを飛んでいた航空会社。内陸部の過疎地域(隣の家まで100km!)で、急患輸送なども引き受けていた。
 そういう種類のカンガルーがいるなどといういい加減な説明をする人もいるが、信じてはいけない。
R

【R】
 航空券や国際航空運賃表の運賃種別記号で、supersonic first classの記号。英国航空のコンコードとエールフランスのコンコルドを使用したフライトに適用される…コンコードもコンコルドも同じものじゃないか。
 コンコルドは(もちろんコンコードも)全席ファーストクラスだが、同じ区間の通常ファーストクラス運賃より高いそうで、そのくせ普通のファーストクラス客席よりかなり狭いらしい。編者もフレンドシップから始まって自衛隊機に米軍の戦略輸送機に新聞社の社用機にDC-8のファーストクラスと、飛行機もいろいろ乗ったが、さすがにこれは乗ったことがない。

【RA】
 Resolution Advisoryの略で、TCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System、衝突防止装置)が発する警報の一種。再接近の25秒前に発せられ、操縦士に回避すべき方向を指示する。

【RADAR】
 RAdio Detection And Rangingの略。 いわゆるレーダーのことである。→レーダー

【RAF】
 Royal Air Force。英空軍、または英国空軍省。女王陛下の空軍は世界最初の空軍である。航空ファンの間では駄っ作機の宝庫、トンデモ飛行機の総本山というかなり偏った見方で語られることが多い。スピットファイアなどの傑作機もあるのだが「そういうのもたまには出てくるよね」のひと言で片付けられてしまうのでした。合掌。

【RAPCON】
 →Radar APproach CONtrol systemの略。ラプコンと読む。GCAとターミナルレーダー管制を組み合わせたシステム。

【ROE】
 Rate Of Exchangeの略で、国際航空運賃の計算をする上で使用される、旅行開始国通貨対NUC(=USドル)への換算率。ロエと読む。年4回、3ヶ月毎に為替相場の変動を参考に更新される。円高になったからと喜んで航空券を買いに行っても、ROEの更新が追随していなければ運賃は安くならないし、ごく短期的な為替相場の騰落がROEに反映されるということもない。期待するだけ無駄なのであてにしないように。

【RT】
 Round Tripの略で、往復旅行(往復航空券)のこと。出発地から目的地までの旅行(往路)と、目的地から帰着地までの旅行(復路)に分けられる旅行で、往路と復路の運賃が同額であるもの。

【RTB】
 Return To Baseの略。基地への帰還。任務を果たして意気揚々と引き上げられればいいが、そんな日ばかりとは限らない。任務を途中で中断し帰還する決定も、時には下さなければならない。台湾沖航空戦では、夜間しかも悪天候で、米空母を視認できなかった攻撃機数十機余りが「我自爆ス」の無電を最後に、魚雷を抱えたまま海へと消えていった。日本軍は戦果なく帰還することを恥としていたのである。こうして貴重な搭乗員を次々と失い、日本は敗戦への坂道を自力で転がり落ちていったのだね。

【R2D2】《S》
 映画、スターウォーズに登場するロボット。主人公ルークが戦闘機に乗る時には後席に乗っている。転じて、複座戦闘機の後席に乗っている人のこと。
S

【SID】
 Standard Instrument Departureの略で、標準計器出発方式。計器飛行で出発する飛行機が、飛行場を離陸して、出発管制の管制区を離れるまでの経路。出発管制の管制区を離れて航空路に乗るまでは『トランジション』(transition)として別に定められている。計器飛行で出発できる飛行場すべてに、少なくとも一つ、多くの場合方面別に何通りか定められていて、どのSIDを使うかは飛行計画承認の際に管制機関が伝達する。SIDの名称にはルート上の地名などを取り『○○ディパーチュア』(Departure)という呼称が使われる。羽田から北に向かって離陸した飛行機が、直後に右旋回をしてゆくのは、羽田から4マイル以内(大井埠頭のほぼ中央でおおむね4マイル、臨海副都心でおおむね5マイル)で旋回することがSIDで定められているため。フライトシミュレータでやってみると、案外これが難しくて簡単に臨海副都心あたりまで行ってしまう。持ってる人はやってみるといい、案外いい加減な離陸をしていることに気づかされるはずだ。SIDには、市街地上空を回避させて騒音を抑える(騒音源を市街地に近づけない)という役割もある。

【SP】ボタン 解説画像を別ウィンドウで表示
 ボーイング747SPのこと。Special Performanceの略。というと何がスペシャルなパフォーマンスなのかさっぱりわからないが、要するに超長距離型747。10,656kmの最大航続距離は当時としては驚異的なもので、アジア・オセアニア地域や中東から途中燃料無補給で一気にアメリカ東海岸へ向かうようなケースを想定して作られた。貨客搭載量は二の次で作られた最も小型の747。ぬいぐるみか漫画のような寸詰まりの機体である。胴体を14.2m短縮して側面空気抵抗の低減と53tもの軽量化を図り、これにより燃料消費量を低減して航続距離を伸ばし、さらに5900リットルと僅かではあるが予備燃料タンクを増設している。胴体が短くなったため安定性を保持する目的で、水平・垂直尾翼はそれぞれ1.5m程延長されている。
 需要の多い路線には向かなかったため、日本航空はSPを導入せず、途中給油のロスを承知であえて通常の747を選択していた。現在では、エンジン性能の向上と新素材による機体の軽量化で、通常サイズの747でもSP以上の航続距離を達成しているため、既にSPの生産は終了している。

【SQ】
 飛行隊、または航空隊。SQはSQuadronの略。301飛行隊ならば301SQとなる。

【SR】ボタン 解説画像を別ウィンドウで表示
 ボーイング747SRのこと。Short Rangeの略、つまり短距離型。航空需要はあるけれど空港のキャパシティに余裕がなく、便数が制限されるどこかの国の国内線向け747。ボーイング社も一応世界中に売り込んでみたけれどやっぱりというか案の定というか日本航空と全日空だけが発注した。航続距離は程々に、代わりに脚部周辺を強化し頻繁な離着陸に備えている。イナバ物置も真っ青の人類初の500人乗り旅客機である。最大航続距離3,780kmは最新の国際線用-400の3分の1程度だが、とにかく丈夫が取り柄。NASAでスペースシャトル背負って飛んでいる747(N911NA)も、実は元日航のSR(JA8117)だったりする。-400ではD(Domestic)型がSRに相当する。→ボーイングエアバス

【STAR】
 Standard Traffic Arrival Routeの略で、標準到着経路。計器飛行で飛行する到着機が、航空路から降りて飛行場に到着するまでの経路を言う。米国では、航空路とSTARの間にトランジションを介する場合もある。ルート上の地名などを取り『○○アライバル』(Arrival)という呼称が使われる。飛行場ごとに、飛んできた航空路と、着陸に使用する滑走路、最終進入方式などの組み合わせによって、何通りかのルートが予め定められている場合が多い(STARを定めていない飛行場もある)風向きが変わって滑走路を変更する場合は、それに合わせて使用するSTARも変更しなければならない場合が生じる。日本の空港は大概滑走路一本なので、滑走路変更といえば180°向きが変わるということ。一本の滑走路変更が、STARの起点となるおよそ100kmの彼方にまで影響が及ぶ。天地がひっくり返るような大騒動とはこのことか…。

【SUD】ボタン 解説画像を別ウィンドウで表示
 Stretched Upper Deckの略。アッパーデッキを延長したボーイング747のこと。ボーイング社の純正改造機だが、改造の工期が長期に及ぶこと、改造費も高額であることなどからSUD改造機は多くない。その上、日航機墜落事故の原因が後部圧力隔壁の修理ミスだったということになって、いよいよ航空会社が改造に二の足を踏むようになってしまい、そうこうするうちに-400が出てきてしまった。最初から長いアッパーデッキで作られた-300や、-400旅客型はSUDではない。-300との外観上の識別点は、殆どないと言っていい難物である。
T

【TA】
 Traffic Advisoryの略で、TCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System、衝突防止装置)が発する警報の一種。最接近の40秒前に発せられ、自機に接近する航空機の存在を知らせる。

【TACAN】
 TACtical Air Navigation aidの略で、戦術航法装置。地上のTACAN局から送られてくるUHFの電波を利用して、地上局からの方位・距離を測定し、機上のHIS(水平指示器)に表示する。もともとは米軍が、艦載機を空母へ誘導するために開発したという。軍用の無線標識だが、民間機でも利用は可能。VOR(超短波全方向無線標識)とセットになったTACAN基地局は『VORTAC』と言う。

【TACT】
(1)The Air Cargo Tariffの略。米国系航空会社を中心として発行されていたCargo Air Tariffと欧州系航空会社を中心として発行されていたAir Cargo Tariffを統合して、1975年から発行されている国際航空貨物運賃表のこと。
(2)Tokyo Air Cargo city Terminalの略、東京エアカーゴシティターミナル株式会社。原木(ばらき)ターミナルとも呼ばれ、都心から60km余り離れた成田空港との中継点として1972年に設置された千葉県市川市原木にある輸出入航空貨物の物流センター。輸出貨物は荷送り人や航空貨物代理店から貨物を受け入れ・一時蔵置・通関・混載仕立てなどを経て成田空港へ転送し、輸入貨物は成田空港から転送されてきた貨物を仕分け・一時蔵置・通関などを経て荷受け人や航空貨物代理店へ引き渡す。1996年までは成田空港発着の航空貨物はごく一部の品目(旅客の携行品、旅客機への搭載品、生鮮貨物、空港内貨物、公用貨物など)を除いてTACTで通関を行っていたが、現在では品目を問わず成田空港、TACTのどちらでも通関が可能である。

【TAF】
 →第一種飛行場予報

【TAF-L】
 →第一種飛行場予報

【TAF-S】
 →第二種飛行場予報

【TARPS】
 タープスと読むそうである。Tactical Air Reconnaissance Pod Systemの略。戦術航空偵察ポッドシステム。カメラを仕込んだポッドを胴体下にパイロンを介するなどして取り付けることで、戦闘機が偵察機に早変わりという便利なもの。もちろん、コクピットにカメラのコントローラがないと写真が撮れないので、その辺の戦闘機に適当にポッドをぶら下げただけでは何の役にも立たない。TARPSを使用できるように改造された機体をTARPS改修機と呼ぶ。ポッドの中には連続フレームカメラ、低高度パノラミックカメラ、高々度フレームカメラなど数種類の航空偵察カメラが収められている。航空偵察カメラは解像力が肝心なので、長く銀塩写真機(つまり、フィルムを使うカメラ)が用いられてきたが、最近は撮影データを即伝送できるという利点からデジカメも用いられるようになってきている。デジカメと言っても超高解像度で超高速連写が可能なデジカメである。新宿西口何とかカメラでは売ってないぞ。

【TCAS】
 Traffic alert and Collision Avoidance Systemの略で、衝突防止装置。航空機同士の異常接近や空中衝突を回避するための装備で、ATCトランスポンダから発信する電波を利用して、自機の周囲15nm(約28km)高度差9,000ft(約2700m)にいる航空機を検出する。双方の航空機が接近を続けた場合、最接近(つまり、衝突のことである)の40秒前にトラフィック・アドバイザリー(Traffic Advisory=TA)と言う警報が発せられ、自機に接近する航空機の存在を知らせる。さらに接近した場合、最接近の25秒前にリゾリューション・アドバイザリー(Resolution Advisory=RA)という警報が出され、回避方向を指示される。TCASには上昇もしくは下降のみの指示が出されるTCAS-II(2)と、これに加えて左右方向への回避指示も出すことのできるTCAS-III(3)がある。いずれの場合も、双方の航空機の間でTCASが連絡を取り合い、互いに反対方向へ指示を出すようになっている。
 TCASが発する指示に基づいて進路を変える場合、管制官の許可を得る必要はない…というか、25秒間では管制官を呼ぶ暇もないが…。回避を終えた後は管制官に報告をし、その後の指示を受けなければならない。管制官からの指示とTCASの指示が異なる場合の規定は各国まちまちで、ICAOの国際標準あるいは勧告方式にも定められていない。英国では「ためらわず、RAの指示する方向へ、すみやかに進路を変える」よう求めているが、日本の航空法はICAOの国際標準あるいは勧告方式の完全なコピーなので、こうした場合の規定がない。それでも、RAの指示に従わず、独自の判断で回避を行ったパイロットが業務上過失傷害で送検されていたりするのである。…後出しルールで罪に問えるということだ。近代刑法の大原則を逸脱しているのだが、この国ってホントに法治国家なのか?
 日本では30人乗り以上の航空機には例外なく、2006年までにTCASの装備が義務づけられている。日本でさえ2006年まで猶予されているのだから、経年機をだましだまし飛ばしている国ではTCAS装備機の割合など推して知るべしと言える。

【TC-1】
 IATA(国際航空運送協会)が定める地域区分で、TCはTraffic Conferrence(運送会議)の略。IATA第1地区とも呼ばれる。南北アメリカ大陸と近隣諸島、ハワイ諸島などがTC-1に含まれる。

【TC-2】
 IATA(国際航空運送協会)が定める地域区分で、TCはTraffic Conferrence(運送会議)の略。IATA第2地区とも呼ばれる。ウラル山脈、イラン以西のヨーロッパ・中近東、アフリカと近隣諸島(アイスランドもヨーロッパの近隣諸島だ)などがTC-2に含まれる。

【TC-3】
 IATA(国際航空運送協会)が定める地域区分で、TCはTraffic Conferrence(運送会議)の略。IATA第3地区とも呼ばれる。パキスタン、ウラル山脈以東のアジアと、オセアニア全域、近隣諸島などがTC-3に含まれる。日本はTC-3(アジア地域の近隣諸島だ)に含まれ、グアム・サイパンもTC-3に含まれる。

【The Simmer of the Air】
 ブルーインパルスのウォークダウンの際に、バックで掛かっている吹奏楽曲。作曲は航空自衛隊航空中央音楽隊(当時)の矢部政男一等空曹。ブルーインパルスをテーマにした6作からなる連作、ブルーインパルス・セレクションの第一曲である。冒頭のファンファーレが鳴り響くと、航空祭会場が曲のタイトルどおり一気にヒートアップするのである。CD『BLUE IMPULSE』(演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊、発売:日本コロムビア)に収録されているが、吹奏楽のCDってのはつ○やとか新☆堂程度の店ではなかなか売っていないのが悩みの種である。何とかしろよ、つた○。

【TOT】
 Time Over Targetの略で、目標上空到達予定時刻。予定は未定にして確定に非ず、なのは言うまでもなし。time after timeはシンディ・ローパー。

【TPM】
 Ticketed Point Mileageの略で、一部の一般旅行主任者試験の参考書では『航空券に表示される2地点間の距離のこと』としている。…だが、実際の航空券にはいちいち利用区間毎の距離は表示されていない。おそらくTicketedの誤訳と思われる。『区間毎に設定されている運賃計算上の距離のこと』と考えるのが妥当なのだろう。乗り継ぎなどを伴う経路の航空券では、出発地から経由地までのTPMと、経由地から目的地(出発地からのMPM:最大迂回許容距離、が最大となる場所)までのTPMを足して得られた距離(TTPM:Total Ticketed Point Mileage、すべての区間のTPMの合計)を、タリフに表示された出発地から目的地までの直行の場合のMPMと比較し、MPM以下の場合は出発地から目的地までの直行運賃を適用し、MPMを上回る場合は超過した距離に応じてタリフに示された割り増し率を直行運賃に適用する。

【TREND】
 →第三種飛行場予報・着陸予報

【TS】
 Thunder Stormの略で、落雷警報のこと。全日空の社内規定に定められているものだが、他社にも同様の規定がある。飛行場のようにだだっ広い場所は、どこに雷が落ちてもおかしくない。落ちるとすれば最も高い建物、管制塔だが、管制塔の避雷針が有効に作用するのは半径数十m程度、あとはタラップだろうが人だろうが進入灯だろうがお構いなしである。危険度に応じTS-1〜TS-3までの3段階に分けられ、最も高い警戒レベル、TS-3では、屋外での一切の業務が停止してしまう。のんびり飛行機の写真なんか撮っている場合じゃない。

【TSR2】
 BAC TSR2。英国の試作戦闘爆撃機。TSRとはTactical Strike & Reconnaissance aircraftの略で、戦術攻撃偵察機。キャンベラ爆撃機の後継機として1957年から開発が開始されたが、爆撃機で、攻撃機で、戦闘機で、ついでに偵察機もおまけして最高速度はM2.75で、不整地での短距離離着陸が可能で、核弾頭装備で超低空侵攻が可能で…とアニメのスーパーロボットか何かみたいにいろいろ要求が付いたおかげで開発は長期化、開発予算は大幅超過。1964年9月7日に原型一号機初飛行したものの1968年に開発費の高騰を理由に計画破棄。…トンデモ飛行機の総本山RAFの面目躍如である。計画の破棄については、ライバルのヴィッカースと結びついてバッカニアを推すマウントバッテン卿に、時の労働党政権が乗せられたとか、アメリカがいろいろ画策したとかいう説もあるが、そのバッカニアも空軍の要求性能を満足するものではなく(…そりゃそうだろ)結局導入決定したのはアメリカのF-111だっが、それも英軍仕様で見積もりを取ったら機体価格が2倍に膨れ上がったらしくて、結局おじゃんに…。
 最近やたらとTSR2の名前を聞くから、何事かと思ったら、ストラトスフォーというテレビアニメでメテオスイーパーという名前を頂き、萌え〜な十代の女の子とやらが乗って(…お約束だな)地球に落ちてくる彗星の落とし物を撃ち落としているらしい。いかにも'60年代の戦闘機といったスタイルで、F-104とかを見て育った世代にはたまらなくかっこいい飛行機である。アニメの主役メカ(…なのか?)ってのもわかる気がする。模型はバキュームキットぐらいしかないので、最近アニメづいているハセガワに是非キット化して頂きたい。現在容易に入手できるのは1/8本庄美風(フィギュアのガレージキット。ストラトスフォーの主役らしい)に付属する1/300ぐらいである。フィギュアから見ると、え〜っと、1/24ってことらしい。なお、たった一機だけ処分を免れた実機が、コスフォードの航空宇宙博物館に保存されている。

【TTPM】
 Total Ticketed Point Mileageの略で、区間毎に設定されている運賃計算上の距離(TPM)をタリフから抜き出し、出発地から目的地(出発地からのMPM:最大迂回許容距離、が最大となる場所)までのすべての区間のTPMを合算したもの。乗り継ぎなどを伴う経路の航空券では、出発地から経由地までのTPMと、経由地から目的地までのTPMを足して得られたTTPMを、タリフに表示された出発地から目的地までのMPMと比較し、TTPMがMPM以下の場合は出発地から目的地までの直行運賃を適用し、TTPMがMPMを上回る場合は超過した距離に応じてタリフに示された割り増し率を直行運賃に適用する。

【Tubular Belle】
 ヴァージン・アトランティック航空の747-400、G-VHOT機のニックネーム。これって、マイク・オールドフィールドのアルバムタイトルだよねぇ…。所属レコード会社はヴァージンレコードだし…。

【TYPH】
 TYPHoonの略。よ〜するに台風のことである。太平洋上で発生する熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が34kt(17.2m/s)以上のものをいう。ややこしいことに、世界気象機関(WMO)の区分では、中心付近の最大風速が64kt以上のものをいう。メキシコ湾で発生したものはハリケーン、インド洋周辺で発生したものはサイクロンと呼ばれる。

【T2】《S》
 Thunder bird 2。国際救助隊のVTOL輸送機サンダーバード2号のことだが、航空貨物業界ではロシアの超大型輸送機『An-124-100』のニックネーム。もともとは機甲師団を空輸する戦略輸送機だったものを、民間機として認定を受けたのが-100形。発電所のタービンや広島の路面電車からMacintoshにプレステ2にエプソンのカラリオにボジョレ・ヌーボーに災害援助物資まで、巨大な機内に収まるものなら何でも運んでくれる上に、積み卸しに特殊な機材を一切必要としない…さすが戦略輸送機。An-124による航空貨物輸送は民主化後のロシアで、マフィアと武器横流しを別にすれば最も成功した事業。知らないうちに私たちの暮らしまでも支えている。ロシア機はヨソの真似ばかりというが、ヨソにはない飛行機で稼ぎまくり、資本主義の総本山にして世界の空を一手に握るアメリカ様も大慌て、逞しいなぁロシアの人は…。何と言われよと商売は稼いでナンボでっせ…。

【T-2ブルー】《F》
 国産ジェット練習機T2を使用した、2代目ブルーインパルス。濃い青を基調とした鋭角的なカラーリングはデザインコンペに応募した当時女子高校生4人組の作品。86ブルーのカラーリングからは大きく変わった。個人的にはスピード感があって大胆なデザインで、T-2にはよく合ってたと思うのだが、86ブルーのイメージから遠く離れたというだけの理由で一部のマニアから囂々たる非難を浴びた。機体の形からして全く違うのだからカラーリングも違って当然であろう。インターネットもまだなかった時代のこと、一部航空雑誌がマニアを煽動したと編者は見ているのだが…。
 13年(実質11年)に及ぶ活動も事故で3機を失うなどつらく、苦難の連続であった。

【T-4ブルー】《F》
 国産ジェット練習機T-4を使用した、現行の3代目ブルーインパルス。白と青のシンプルな塗装は概ね好評のようで、T-2ブルー登場時のような、一部のマニアによる子供じみた非難が聞かれなかったのは幸いである。
U

【Uコン】
 2本のワイヤーで繋がれた状態で飛ばす模型飛行機。エンジンをかけて離陸させ、ハンマー投げのように(投げてはいけない)ワイヤーで振り回す…というより模型飛行機に振り回されると言った方が正しかろう。夜店で売っている糸吊り飛行機とどう違うかと言えば、2本のワイヤーで上昇・下降の操作が可能なこと。宙返りも可能だし、宙返りの途中で回転方向を逆にすれば背面飛行も不可能ではないが、当然直進と旋回操作は不可である。
 何かとても目が回りそうだが実機のスピンはこんなものじゃない。エアマンへの道は厳しいのである。パイロットを目指すそこの君、Uコンでスピンに耐える丈夫な体を作ろう!(冗談ですので念のため…)

【UAV】
 Unmanned Aerial Vehicleの略で、無人空中飛翔体。遠隔操縦を必要とせず、機体に搭載したコンピュータによって自律的に飛行をする無人機。偵察が主任務だったが、現在では目標上空に侵入して小爆弾をばらまくなど、攻撃にも使えるものも実用化されつつある。 『最後の有人戦闘機』が登場してからずいぶん経つが、最初の無人戦闘機ってのは、なかなか出てこないねぇ…。

【UH】
 Utada Hikaru…ではない。Utility Helicopterの略で、多用途(汎用)ヘリコプター。一機で歩兵一個小隊の人員(12〜16名程度)と装備、携行火器を輸送できる小型ヘリコプター。

【UK】
 民間機登録記号でウズベキスタンの国籍記号。イギリスは『G』です。お間違いなきよう…。

【UN】
 民間機登録記号でカザフスタンの国籍記号。国際連合ではありません。お間違いなきよう…。

【USB】ボタン 解説画像を別ウィンドウで表示
 パソコン周辺機器の接続規格のひとつで…それも確かにそうだが、動力高揚力装置の一種。噴流が物体の面に沿って流れるコアンダ効果を利用して翼の上面にジェットエンジンの排気を流し、大揚力を得るUpper-Surface Blowing方式の略。主翼周りの循環を促進させる超循環を起こして揚力を増大させ、下向き推力の反作用と併せて、低速時でも充分な揚力が得られ、失速しにくい。STOLジェット機に使われる。

【UTC】
 Co-rdinated Universal Time。協定世界時。平たく言えばグリニッジ国際標準時。JST(日本標準時)から-9時間。→ZULU
V

【Vじびよくき】[V字尾翼機]
 尾翼をV字型に配置し、垂直尾翼と水平尾翼の役割を掛け持ちさせた機体。空気抵抗の軽減を目的としていた。ラダー(方向舵)とエレベーター(昇降蛇)の役割を掛け持ちさせる『ラダベーター』で、操縦を行う。

【Vボマー】[V bomber]
 合体変形してロボットになっちゃうアニメの飛行機などではない。英空軍のジェット戦略爆撃機、ヴィッカース・アームストロング・ヴァリアント、ハンドレィ・ページ・ヴィクター、アヴロ・ヴァルカンの3機種。3V bomber(スリーヴイ・ボマー)とも呼ばれる。いずれ劣らぬ個性的な…としか褒めようのない、一目見たら夢に出てきてうなされそうな外観の飛行機である。そういう意味では無敵である。英空軍の重爆撃機が個性的な外観なのは、空軍創立以来の伝統だからねぇ…。

【VA】
 Volcanic Ashの略。火山灰や噴煙を意味する空域気象情報の略号。火山灰は時として上空2万メートル以上に噴き上げられる場合もあり、影響の範囲は非常に広範囲となる。噴煙の周囲にも微細な粒子が舞っていて、そこに飛行機がマッハ0.8なんていう高速で突っ込むと、ウィンドシールドが一瞬にしてすりガラスになってしまう。それだけではなく、エンジンに火山灰が吸い込まれると燃焼不良を引き起こし、最悪の場合エンジンが損傷・停止してしまう。吸い込まれた火山灰がエンジンの熱で溶かされ、内部にガラス状の膜を作ってバーナーやタービン羽根の表面などを覆ってしまうためで、こうなるとエンジン再起動は非常に難しい。再起動に成功して無事に降りられても、あとは全エンジン丸ごとスクラップにするしかない。1989年12月15日、アムステルダム発アンカレジ経由成田行きKLM867便(B747-400)は、アンカレジへの降下を開始した直後、高度2,5000ftで、前日から噴火を始めていたアラスカのリダウト山(3000m)のごく薄い噴煙に突っ込んでしまい、エンジンすべてが停止。エンジン再起動に成功したときには14,000ftまで高度を失っていた。アンカレジは着陸できたものの、このときの修理費用は8,000万ドル(約110億円)にのぼった。-400一機のお値段は最低でも1億1600万ドル(約160億円)である。納入からたった3ヶ月で満身創痍になってしまった機体のうち、そのまま使えたのが機体のドンガラと脚ぐらいだったというからむべなるかな、である。リダウトの噴火に関する情報が、コクピットクルーに全く伝達されていなかったのが原因の一つに挙げられている。噴火に伴う飛行コースの変更やアンカレジの空港閉鎖に備えて燃料を余分に積んではいたのだが、コクピットクルーにはなぜ燃料を余分に積んだのかも伝達していなかった。
 鹿児島空港では桜島が日常的に噴火を繰り返すため、噴煙の影響を考慮して出発進入経路が設定されているが、それでも風向きによっては空港閉鎖と相成ってしまう。
 「我が胸の燃ゆる思ひに比ぶれば煙は薄し櫻島山」(平野国臣)薄くとも侮れないのが自然の力だ。

【V-JET】
 クァンタス・オーストラリア航空で1960年代に使われたジェット便の愛称。俳優のジョン・トラボルタが所有するボーイング707が、クァンタスと広告契約を結んで、この頃のクァンタス機の塗装を再現している。垂直尾翼にはカンガルーマークより大きく、V-JETのロゴが入っていて、トラボルタ自身はパイロットのコスプレまでして嬉々として乗り回している。資格は副操縦士だそうだが…。

【VOLMET】
 VOice Language METeorological reportの略。ボルメットと読む。→第四種飛行場予報・ボルメット
W

【WCHR】
 Wheel CHaiR passengerの略。車椅子を使用する乗客のこと。狭い機内通路を通れる小型の車椅子に乗り換え、ボーディングブリッジが使えない場所だと別の通路から専用のリフトバスに乗せられ、飛行機の後ろのドアから搭乗することになる。当然、一般の乗客より早く空港に着いてなければならないし、降りる時も最後になっちゃう。お世辞にもいい扱いをされているとは言えない。飛行機ってやつは階段上って降りてバスに乗ってまた階段上るような、バリアフリーなんてまっったく!考えてない乗り物なんですよ…。
X

【Xプレーンズ】[X-planes]
 1945年以降今日まで、米空軍やNACA(後にNASA)などの主導で開発された実験機の総称。初の音速突破を達成したX-1を皮切りに、世界最速の航空機X-15などが有名だが、中には原子力飛行機用原子炉の放射線遮蔽試験機X-6なんていうとんでもない代物とか、お尻を下にして離着陸するつもりだったVTOL(垂直離着陸機)その名も不吉なX-13とか、どう見てもこれは飛行機じゃなくて宇宙船だろX-20ダイナソアとか、敵地に不時着したパイロットを自力脱出させるためのオートジャイロ、X-25なんて言う微笑ましいものとか、ただのロッキードF-104スターファイターの性能向上型、これのどこが実験機だ?しかもどこからも買い手が付かなかったぞX-27なんてのもあったりして玉石混淆でなかなか楽しい。失敗したり回り道したり、人生晴れの日ばかりじゃないと、あの航空大国アメリカも結構苦労していたのである。なお、XB-70ヴァルキリーなどのようにXの後にもう一文字アルファベットが付くものは試作機で、これらはXプレーンズには含めないとする考え方が主流のようである。
Y

【YS】
 日本航空機製造YS-11のこと。→YS-11

【YS-11】
 日本航空機製造YS-11。60席クラスのターボプロップ輸送機で、日本初…その後が続いていないので唯一の国産旅客機である。設計は1957年に設立された輸送機設計協会によって、東京大学の一郭を間借りして行われた。YS-11の名称の由来は『輸送機』『設計』のそれぞれローマ字の頭文字を採り『YS』とし、主翼第1案・エンジン第1案で『11』としている。つまり『輸送機設計協会、主翼第1案・エンジン第1案型』というところであろうか。ということは『ワイ・エス・じゅういち』ではなく『ワイ・エス・いち・いち』と読むのが正しいかと思うが、誰もそんな読み方はしていない。航空界の偉大なる領導者、航空人の太陽と崇められている木村秀政氏はワイ・エス・いち・いちと呼んでいたとも伝えられているが…。それはさておき、1959年に三菱重工業、川崎航空機工業、富士重工業、新明和工業、日本飛行機、昭和飛行機の6社と国からの出資により、メーカーである日本航空機製造株式会社(NAMC)が設立され、1962年8月、名古屋空港での初飛行に成功している。型式証明取得は1964年8月。9月には試作2号機が全日空へリースされ、東京オリンピック聖火輸送でデビューを飾っている。全日空ではこれを記念してYS-11に『オリンピア』の愛称を付けていた。1200m級滑走路での離着陸が可能で日本中至る所で見ることができた。後継機種がなく旅客機としては異例とも言える長期に渡って使用されてきたが、TCAS(空中衝突防止警報装置)の装備猶予期限が2006年であること、ここ数年でようやく後継機に相応しい機体が各国から登場したことなどがあり一気に退役が進んでいる。
 YS-11の設計から既に40年が経過し、その後日本は旅客機を独自開発していない。一般に技術を継承できる期限は20年といわれる。20年を過ぎると技術者の世代交代が進んでしまい、物作りどころかメンテナンスにも事欠く事態になりかねない。YS-11は多額の赤字を生み、税金の無駄遣いと世間から批判を浴びたのは事実であるが、旅客機作りの第一歩であったからいくつかの問題点はあって当たり前、それを乗り越えてはじめて世界に通用する旅客機を作ることができる。算盤勘定だけで批判をするのは簡単だが、安易な批判を乗り越え、算盤勘定で云々できぬ『人作り』に積極的に資金を投入して次のYSを生み出し、失敗を乗り越え技術を継承し、発展させてゆくべきであった。現にヨーロッパ諸国はそうした。エアバスはある日突然紙上の落書きからできた物ではない。アメリカと真っ向から勝負を挑み、売れなかった飛行機の山を乗り越えてたどり着いた結果だ。日本がYS-11を最後に旅客機の独自開発を諦めてしまったのは誠に残念でならない。食うや食わずの貧しい時代にYS-11から得られた貴重な経験はもう生かされることはない。YS-11ばかりでない。構造改革の名目のもとに、国産ロケットH2が同じ道を歩もうとしている。山を乗り越えさせる力を与えることもなく、進むべき道さえ示せぬ政治はもはや政治の名に値しない。『米百俵』の精神は、まず引用した小泉首相自身が噛みしめるべきであろう。

Z

【ZP】
 米海軍における飛行船部隊の略号。ZePpelinの略ではないかと思われるが…。

【ZULU】
 →UTC
0〜9

【32エンド】
 →
さんにいエンド

【3Vボマー】[3V bomber]
 →Vボマー

【680】
 ファントムと言ったらやっぱりこれ!航空自衛隊百里基地の名物戦闘機である。スプリッターベーン(エアインテイクの整流板)とラダーに新撰組を思わせる赤の段だら模様が入っていて、遠くからでも一目でわかるので百里基地に行ったら探してみよう。(本気にしないように…)
 余談だが、実機の680号機はF104戦闘機で、百里基地からのちに小松基地に所属していた。

【727コスメティクス】[727Cosmetics]
 化粧品と飛行機の取り合わせは、なにも『ノエビア』だけじゃない。線路端の野立て看板でよく見かける727Cosmeticsの『727』は、あのボーイング727のこと。以前は『727化粧品』という名だった。創始者が727のかっこよさに惚れ込んで社名にしてしまったのだそうだ。エアバスなんて言葉もまだない、飛行機がリッチでおしゃれな乗り物だった古き良き時代のネーミング。
 余談だが、727Cosmeticsは美容室専用化粧品のメーカーで、キャビンアテンダント御用達ではない。

【86ブルー】《F》
 ノースアメリカンF86Fを使用した、初代ブルーインパルス。21年の長きに及ぶ活動期間を誇り、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開会式で、抜けるような青空にスモークで描いた五輪によって世界にその名を轟かせ、オリンピック開会式のあり方までも一変させた。その後も1970年(昭和45年)の大阪万国博覧会開会式、1972年(昭和47年)の札幌冬季オリンピック開会式など多くの伝説に彩られた世界有数のアクロバットチームである。→ハチロクブルー

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