水道の蛇口から水を出し、そこに横にしたコップを近づけると、水流がコップの曲面に当たったところから、コップの曲面に沿って水の流れが曲がってゆくのがわかる。すべての物体には粘性というものがあり、水や空気も例外ではない。(この図はかなり大袈裟に曲げている。簡単な実験なので自分で確かめてみよう)

 水がコップに当たると、コップに接する部分では粘性によってそこで止まろうとし、コップから離れたところの水流は、離れるに従って徐々にその影響を受けにくくなるため、結果として水流はコップの曲面に沿って曲がってゆく。

 この性質を利用したのがUSB(Upper-Surface Blowing)方式の高揚力装置。主翼の上面にジェットエンジンの噴射を流し、大きく下に垂れ下がらせたフラップの上面へと噴流を張り付かせ、主翼周りの循環を促進させる超循環を起こして揚力を増大させ、下向き推力の反作用と併せて、低速でも充分な揚力を生み出せるようにする。

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