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【ヘ】

1.戦争で怪我をした軍人を乗せる傷病客車の記号。中は畳敷きになっていてお座敷列車の元祖のような車両。

2.電略で“返事”の意味。(例)ウナヘマ=至急返事を待つ。

【ベア】

給料のベースアップのこと。熊のことではない。

【へいかつリアクトル】[平滑リアクトル]

交流電気車に変圧器・整流器と共に装備されているもので、交流成分の残っている脈流をより直流に近づけるための 装置で交流を通しにくいコイルの性質を利用したものである。

【へいきんそくど】[平均速度]

列車の始発から終着までの走行距離を停車時間を除いた“トレインアワー”で除した数値。

【へいこう】[平行]

常磐線の平駅(現、いわき駅)行のサボのこと。

【へいこうげんトラス】[平行弦トラス]

トラス橋で下側の水平構造材と上側の構造材とが平行のものをいう、直弦トラスともいう。新幹線の鉄橋を含めて 最近の鉄橋はみんなこれである。

【へいこうダイヤ】[平行ダイヤ]

どの列車も同じ速度で走りダイヤグラム上でスジが平行しているダイヤ。列車密度を高めるため東北本線の上野〜 大宮間などで採用されている。

【へいせいのせんじせっけいしゃ】[平成の戦時設計車]

EF210-901のこと。とにかく安普請で騒音が大きい、設計通りの引張力が出ずに空転が発生したので重量を増し たところ、今度は減速時に滑走が発生したりと、現場での評価は最低。

98年に入った頃からようやく定期運用に入ったようである。

【へいそく】[閉塞]

信号機と信号機の間のこと。一閉塞には一列車しか入れない。転じて女性の生理のこと。

【へいそくしんごうき】[閉塞信号機]

常置信号機の内、主信号機の一種、閉塞区間の境界に設置される信号機。駅間が長く閉塞区間の多い場合は第一・第二・第三・・・と、どんどん多くなるが、並び方は次の停車場に向かって・・・第三・第二・第一と逆になっている。

【へいそくしんごうきしきべつひょうしき】[閉塞信号機識別標識]

出発信号機と場内信号機の間に、閉塞信号機が多数ある場合に付けられる番号札のことで、反射板か行灯になって いる。場内信号機から数えて番号が付けられる

【へいそくほうしき】[閉塞方式]

《じどうへいそくほうしき》

〈自動閉塞方式〉

列車密度の高い路線で使用されている方式で、レールに信号電流を流し(軌道回路という)列車がこの区間にはい ると車輪によって左右のレールが短絡され列車の有無を検知する、検知した列車の位置によって自動的に信号を切 り替えるもので、最も能率的かつ保安度も高いので殆どの線区で採用されている。

《しゃないしんごうへいそくほうしき》

〈車内信号閉塞方式〉

いわゆるATC区間で採用されている閉塞方式。

《スタフへいそくほうしき》

〈スタフ閉塞方式〉

閉塞区間に一個のスタフを備え、運転士が携帯し、出発した停車場に帰ってくるまで他の列車をその閉塞区間に進 入させない方式。単線行き止まりの路線に用いられている。

《つうひょうへいそくほうしき》

〈通票閉塞方式〉

軌道回路は設けずにその閉塞区間に専用の閉塞器を設置し、両駅で正しく閉塞器を操作したときのみに閉塞器から 通票(タブレット)が取り出され、その通票を持った列車のみがその閉塞区間に入れるという原始的な方式。この 方式は閉塞器と信号機が連動せず、通過列車は確認のために不便であるにも関わらず今だに使われている。列車に 乗って旅をするにはこの方式が一番面白い。タブレットは一閉塞区間に24個ある。現在は“タブレット閉塞方式” と呼んでいる。

《とくしゅじどうへいそくほうしき》

〈特殊自動閉塞方式〉

停車場内の線路には軌道回路を設け、停車場間の線路に対しては軌道回路を設けず、停車場間の閉塞区間には列車 が進入、及び進出したことを検知する装置(検知装置)を設けて、その閉塞区間に列車が居る場合は信号を停止現 示にする閉塞方式。検知装置として、停車場の場内信号機付近に短い軌道回路を設置したものを「特殊自動閉塞軌 道回路検知式」と言い、これに列車の識別符号を送受信する装置を組み合わせたものが「特殊自動閉塞電子符号照 査式」と言う。

《ひょうけんへいそくほうしき》

〈票券閉塞方式〉

通票閉塞方式を簡便にした方式で、一閉塞区間に対しては常に一個の通票しか無く、二個列車を同一方向に続けて 出す場合は、先行列車に通券を持たせ次駅に到着した事を電話で確認してから後続の列車に通票を持たせて運転す る。通票閉塞方式に比べて更に保安度が落ちるため終日一個列車が往復する盲腸線などに用いられる。

《れんさへいそくほうしき》

〈連査閉塞方式〉

軌道回路を駅の出入口のみに設置し、ここを通過する事により駅間に列車が進入したか進出したかを検知する方式 で、別名“トークンレス方式”と呼ばれる。通票閉塞方式の通票を手っ取り早くなくす方法。

《れんどうへいそくほうしき》

〈連動閉塞方式〉

単線区間において交換駅間のみに軌道回路を設けて列車の有無を検知し、駅構内の列車の有無は駅長が行う方式。

【へいたいさんのきしゃ】[兵隊さんの汽車]

童謡「汽車ポッポ」の、元の歌。作詩 富原 薫、作曲 草川 信。昭和14年発行の舞踊童謡集に発表され、翌 年、ポリドールから斉藤達雄、大久保澄子の歌で発売された。御殿場の駐屯地を発ち、戦地に赴く兵士を乗せた列 車を子供たちが見送る歌で、元の歌詞は「きしゃ きしゃ ポッポ ポッポ シュッポ シュッポ シュッポッポ  兵隊さんを乗せて シュッポ シュッポ シュッポッポ 僕らも手に手に日の丸の 旗を振って 送りましょう  万歳 万歳 万歳 兵隊さん 兵隊さん 万々歳…」というものだった。戦後、GHQの指令によりお蔵入りと なったが、昭和20年の NHK『紅白歌試合』のために歌詞が改められ、タイトルも「汽車ポッポ」となった。「き しゃ きしゃ ポッポ ポッポ シュッポ シュッポ シュッポポ 煙をはいて シュッポ シュッポ シュッポ ポ 行こうよ 行こうよ どこまでも あかるい 希望が まっている 走れ 走れ 走れ がんばって がん ばって 走れよ」

【べいタン】[米タン]

在日米軍のタンク車、タンク体には米軍の軍番号が6桁の数字で大描きしてあり、白い長方形が二つ描いてある。 タキ3000型を使っていたが、老朽化によりタキ35000等のタンク車に置き換えられつつある。

【へいちょう】[兵長]

横に白線のあるワフ。ストーブは付いているが電灯はない。兵長の肩章からきたもの。

【へいひ】[閉扉]

客用ドアを閉めること。

【へいめんガエル】[平面ガエル]

転んでぺっちゃんこになったぴょん吉のことではない。この場合、上田交通へ行った東急5000系のことで、中間 車に運転台を付けたため、正面がまっ平らの切妻になっている。

【へいめんこうさ】[平面交差]

踏切も、停車場内のポイントも平面交差だが、こう言うと、停車場内のポイントなどではなく、さらに狭義的にい きなりその辺で交差している線路を指す言葉である。

【へいめんししょう】[平面支承]

支承の項を参照のこと。

【へいようきどう】[併用軌道]

道路と軌道が一緒になった道路、名鉄の犬山橋が有名。併用軌道内では列車も自動車と同じ制限速度になっている。 昔、パトカーが都電をスピード違反で追いかけたことがあったが、専用軌道に逃げられてしまったことがあったそ うな。レールは滑りやすいので、なるべく踏まないように、車の運転は要注意。

【へいれつきでんほうしき】[並列き電方式]

直流電化の“き電”方式のひとつで日本では主にこれが用いられている。直流変電所が並列接続されている方式。

【ヘカ】

列車の編成替えの略。

【ヘコ】

電略で“変更”の意味。

【ペコちゃん】

今は無き東急玉川線を走っていた丸っこい電車。形式は“デハ200型”という。自動車と同じモノコックボディー を採用していた。

【ぺし】

レールの継ぎ目板。

【ヘセ】

戦争で精神に異常をきたした軍人を乗せる精神病客車の記号。病客車の窓に鉄格子をとりつけたもの。

【へそ】

可溶栓、溶け栓(とけせん)とも言う。機関車のボイラーを空炊きしないように火室上部に取り付けられた一種の 温度ヒューズ、鉄製のプラグに鉛を盛ってあり、ボイラー水位が基準以下になるとこれが溶け、火を吹き消すよう になっている。その形状と取り付け位置からこう呼ばれているのであろう。

【へそライト】

ちんちん電車のように車体中程中央付近に付いている前部標識灯ことヘッドライトのこと。かつて留萌鉄道に在籍 した気動車などは急カーブ区間が連続するためにヘッドライトの向きを変えられるようになっていた。

【へたる】

バネやゴムの弾力が弱ってしまうこと。

【ペチコート】

内煙突、煙突が短いと燃焼効率が悪くなる。そこで煙突を長くするために上へは伸ばせないので煙室内に設けられ た内側の煙突。スカートといい、エプロンといい、やっぱりSLは女性だ。

【ベッカーズ】

JR東日本のファーストフード店。

【ヘッド】

1.列車の先頭のこと。→あたま

2.列車の運転間隔のこと。「3分ヘッド」と言えば「3分間隔」のことである。

【ヘッド・エンド・システム】

編成の一端に電源車を連結して、列車全体に給電する方式。集中電源方式のこと。→分散電源方式

【ペデスタル】

→軸箱もり

【べにしょうがいろ】[紅生姜色]

489系の白山色のこと。赤い部分が紅生姜の汁をこぼした後のシミのようだから。

【ベネシャン・ブラインド】

581・583系寝台特急電車などの客室窓に採用されている遮光装置のこと。内・外のガラスの間にブラインドがあ り、車内のハンドルを回すと上下するようになっている。ブラインドなので下げたままで開閉もできる。

【ベバストしきだんぼうき】[ベバスト式暖房機]

三国式温気暖房装置のこと、温気暖房装置の代名詞。

【ヘビー・シンプル・カテナリー】

架線の吊架方式の一種、架線の項を参照のこと。

【ベビコン】

小型のコンプレッサー、ベビーコンプレッサーの略、でもベビコンは日立の商品名。オハネフ24等の床下や電気機 関車などに搭載されている。

【ヘムシュウ】

車両の過走を防止するためのブレーキシュー。→カーキャッチャー

【ヘラ】

列車を運休させるときや、種別を変更する際の要請書のこと。

【ヘラがわり】[ヘラ変わり]

途中駅で列車番号が変わること。

【ヘリコプター】

クロ381のこと。

【へん】[変]

時刻変更をした列車番号の頭に付ける言葉。「変123列車」と言えば「時刻変更された123列車」と言う意味。別 に“変”な列車という意味ではない。

【へんがく】[篇額]

トンネルのポータル上部などにある、トンネルの名前を刻んだ石版や砲金のプレート。古い(当時の)長大トンネ ルなどでは、教科書に出てくるような人が篇額を揮毫していたりする。ちなみに、“青函隧道”の篇額を揮毫したの は当時の首相、中曽根 康弘氏。新幹線のトンネルの篇額は普通のゴシック体で、砲金製のものが横っちょのペタと 張ってある。

【ペンキぬり】[ペンキ塗り]

旧型客車などの半鋼製車で、車内の木部がニス塗り仕上げではなくペンキ塗り仕上げになっているものを指す言葉、 常に郷愁を求める旧客ファンに嫌われていて、高崎の旧客イベント列車などでこれが連結されているとそこだけ空 いている場合がある。

【へんくつ】[偏屈]

鉄道模型を商う商店主のこと。多かれ少なかれ偏屈な人が多い。

【へんけいYがたシンプル・カテナリー】[変形Y形シンプル・カテナリー]

架線の吊架方式の一種、架線の項を参照のこと。

【ペンサイズ】

ハーフサイズカメラのこと。オリンパスの商品名の「ペン」から来ている。「ペン」というのは、ペンでメモ書きす るように簡単に沢山撮れることからこの名が付いた。一時期オリンパスのカメラの代名詞のように言われていて、 今でもオリンパスのカメラを持っていると、一眼レフでも「これペンなの」と聞かれることがあるが、そういう人 は主に50代以上である。

【べんじょしようしらせとう】[便所使用知らせ灯]

車両の便所が使用中なのを客室内に知らせるためのランプ。便所の扉の内鍵を掛けると点灯するようになっている。 スハ43系客車から採用された。最初の頃は赤色灯だったが、危険を知らせるランプと勘違いされたため橙色に変更 された。キハ58系に見られるように便所使用中等といった文字が浮かび上がるようなものもあったが、現在のもの は素っ気なくなった。

【へんしんぼう】[偏心棒]

蒸気機関車で動輪の動きをピストンへ伝える部品。

【べんせんようひん】[便洗用品]

便所と洗面所に使う用品で運転区などで準備する。どういう訳か客車だけは国鉄からJRになっても暫くは運転区で はなく車掌区が(寝台車のリネンも)準備していた。

【ベンチレーター】

車内の換気を行うために設置される通風器のこと。形や作用の仕方で次のような種類がある。

《おしこみがた》〈押し込み型〉

四角い形をしている201系などに採用されているベンチレーター、通常のベンチレーターは排気型だがこれは吸気 型のためこの名前がある。

《おわんがた》〈おわん型〉

文字どおりお椀を伏せたような形のベンチレーター、近年急速に姿を消している。

《ガーランドがた》〈ガーランド型〉

旧型客車のベンチレーター、名前の由来は作った人の名前から。→ガランドー

《グローブがた》〈グローブ型〉

103系等に使われている丸い形のベンチレーター。

《ティー字型》〈T字型〉

ガーランド型の縦半分のもの、上から見るとT字型だから。

《とうかいがた》〈東海型〉

押し込み型の一種で153系から採用された、ベンチレーター押し込み型を前後に伸ばしたような形をしていて整流 板が5枚付いていてなかなか形がよい。名前の由来は153系の東海型から。最近は四角い押し込み型にとって替わ られた。

《トルペードがた》〈トルペード型〉

初期の木造客車で使われていたベンチレーター、T字型煙突を横へ突き出したような形をしていた。

【へんつう】[変通]

貨物輸送変更通知書の略。

【ペンデルツーク】

推進運転用の運転設備を備えた客車列車。ドイツ、スイスなどの近距離列車に多い。日本では普及しなかった。

【べんとうばこ】[弁当箱]

1.線路巡回時の列車防護用具(信号炎管、信号雷管、赤旗など)を入れた金属製の箱。

2.ポイント凍結防止用のカンテラのこと。その形態から。

【ペンドリーノ】

イタリア語で往復運動のこと。イタリア国鉄の振り子式電車。

【へんばん】[変番]

他人の人と勤務を変えてもらうこと。