−れ−

【レ】

1.有蓋貨車の内、冷蔵車の記号。

2.電略で“列車”の意味。

【れいすいスプリンクラーそうち】[冷水スプリンクラー装置]

東海道新幹線の雪害対策として設置されている装置。東海道新幹線の関ヶ原一帯はかなりの降雪があり、新幹線の ダイヤを混乱させる元になっていた。そこでスプリンクラーが設置され、かなりの効果を上げている。ここで使用 されているスプリンクラーは「冷水スプリンクラー」で、線路上に水をまいて雪が列車の風圧で舞い上がらないよ うにしている。なぜなら、雪が舞い上がるとそれが床下に凍り付いてくっついてしまうからだ。こうなった場合、 気温の高いところに来るとこれが溶けて落下し、200kmで走っている列車から落下した氷塊は軌道に鉄砲玉のよう に当たる。これがバラストを跳ね飛ばして床下機器を破壊してしまうのだ。本当は上越新幹線のように盛大にお湯 をまいて雪を溶かしてしまいたいのだが、この区間は盛土で建設されているため、あまり軌道上をびしょびしょに すると地盤がゆるんでしまうのである。

【れいぞうしゃ】[冷蔵車]

読んで字の如く冷蔵機能がある有蓋貨車で、車体内張りには断熱材が施され、ドアは密閉できるようになっている。 貨車としては現在は消滅しているが、冷蔵や冷凍のコンテナとして活躍中である。記号は冷蔵の“レ”である。

【れいとうサイクル】[冷凍サイクル]

低温を発生させるための方法の一つで気化熱を利用するもの。フロンガス(12・22)等のガスを圧縮機で圧縮し、 高温高圧になったガスを凝縮器で液化し、高圧液をキャピラリチューブに通し低圧液にして蒸発器に送る。蒸発器 内部で再び気化して室内から気化熱を奪いまた圧縮機に送られる。これを冷凍サイクルという。家庭の冷蔵庫や クーラーも基本は一緒である。

【れいとうみかん】[冷凍みかん]

駅弁の後のデザートはやっぱりこれだよねーって、今やほとんど売ってないぞ。冷凍パインもある。旅情やねぇ。 冷凍みかんを作るときは凍らせる前に軽くゆでておくのがポイント、こうすることで甘さが増すんですよ、奥さん。

【れいぼうじゅんびしゃ】[冷房準備車]

冷房装置を後から搭載しやすいように予め取付工事を施工してある車両で、165・169・455・115-1000・113- 1000・キハ28・58等にあり165系や455系はAU-12型クーラーを取り付けているのでそれと判る。またキハ 28の一部には廃車発生品の角形のAU-13を搭載していた車両があった。113・115系などは、内部の造作が冷房 車と変わりないので、一瞬「ラッキー」と思うが、外から見るとユニットクーラーが載る位置に申し訳なさそうに ベンチレーターが一個載っていてがっかりする。今でも東北地方のキハ58に残っている。

【れいぼうようしゃそくひょうじとう】[冷房用車側表示灯]

集中型ユニットクーラーを搭載した車両に付いていて、色は青緑色。これが点灯しているときは冷房が利いていな いので乗らない方がよい。

【レーキ】

鉄製の火かき棒。英語のRakeから。

【レールキャッチ】

→ちんちょう

【レールたんしょうしゃ】[レール探傷車]

超音波を使い約20km/hで走行しながら超音波を発射しレールの状態を検測し記録して行く事業用貨車。レール同 士の継ぎ目を検知して撮影を行う機能付きである。

【レールたんしょう・まもうそくていしゃ】[レール探傷・磨耗測定車]

→RFD

【レールはじょうまもうさくせいしゃ】[レール波状摩耗削正車]

レールは長期間使用していると表面が緩やかな波状に摩耗してくる。わが国では従来、こうなったレールはそっく り取り替えてしまっていたが、欧米ではレールの表面形状を正確に平らに削ってすり減るまで使用するのが通例で、 わが国にも最近このやり方が取り入れられるようになった。この作業に使われるのがレール波状摩耗削正車で、東 海道新幹線にはスイス製の車両(SPENO)が使用されている。

【レールバス】

鉄道車両の製造コストを下げるためバスの部品を使い小型の車体をしたもの。運転コストも下げることも狙ってい た。後の世になって登場したものは専用設計である。

【レールブレーキ】

車輪とレールとの摩擦力以外に、車両とレールの間に働かせるブレーキ。電磁吸着ブレーキなどがこれに当たる。

【レールプレス】

ポイントで基本レールが、トングレールの圧力に負けて外側にずれないようにするために付けられる、レール締結 部品のこと。

【レールプレスチョック】

木製枕木区間などでレールが外側にずれるのを防止するためレールの外側に取り付ける木片。木製枕木に切り込み を入れてそこへレールプレスチョックをはめ込み犬釘で固定する。希に軌道の内側にも設置される。→チョック・ス コッチ・ラット

【レールベンダー】

レールを曲げるための工具。

【レールボンド】

レールに使う接着剤ではなく、レールに流れている走行用の電流や信号電流に対する電気抵抗を少なくするために、 レールの継ぎ目にレールからレールに渡って設けられる電線、電化区間ではレールに溶接する太い“溶接ボンド” 非電化区間では信号電流用の細い信号ボンドが設置される。

【レールようせつ】[レール溶接]

ロングレールを作るためにレールを溶接すること、数種の方式がある。

《フラッシュバット溶接》

電気溶接の一種で電気抵抗を利用して接触面を加熱し圧力をかけて圧接する方式で信頼度は高い。

《ガス圧接》

ガスバーナーによって接合面を加熱して圧接する方式。工場においても現場での溶接にも適している。

《テルミット溶接》

酸化鉄粉とアルミ粉のテルミット反応を利用して鉄を還元させて溶接する方式。溶接するレール同士を鋳型で囲み その間に猛烈なテルミット反応熱で溶けた鉄を流し込んで溶接する。設備が簡単なので現場での溶接に適している が、非常に希ではあるが溶接部分が割れることがある。砂鉄とアルミ粉をよく混ぜた上に酸化鉄とアルミ粉を混ぜ たものを乗せマグネシウムリボンを立ててそれに着火すると簡単に鉄が得られるので実験してみると良いでしょう。 反応がかなり過激なので怪我をしても当方はいっさい関知しませんが・・・。

《エンクローズ・アーク溶接》

テルミット溶接のように鋳型で囲んだ中に溶接棒を入れて溶接するアーク溶接の一種。

【レールようせつしゃ】[レール溶接車]

レールを設置したまま溶接してロングレールにする凄い機械。レールに(22000A)という大電流を流し圧接する、 一時間当たり10ヶ所もの溶接作業が出来、作業が終わると線路から下りて道路も走れる軌陸車になっている。

【レガートシート】

「なは」「あかつき」に使用されている座席指定車。リクライニングシートが二つの通路を挟み三列に配置されてい て、車内の通り抜けが出来ないように最後尾(最前部)に連結されている。8人乗りの“レガッタシート”ではな い。

【レギュレーター】

蒸気機関車の出力を調整する加減弁のこと。英語のレギュレータースロットルから。スロットルの項を見よ。

【レジスタンス】

主回路の抵抗のこと。別に武装しているわけではない。バルチザンチーズと言うのもある。ウソ。

【レジンせいりんし】[レジン制輪子]

黒鉛・金属微粉末・特殊合成樹脂粉・乾性油をよく混ぜて型に入れてオーブンで焼いたケーキ、じゃなくて型に入れて 加圧加熱整形した制輪子のこと。軽量で扱いやすく、速度による摩擦係数の変化も少ない・なかなか減らない・制動 時に騒音が少ないなどの利点があるため殆どの高速車両ど使われている。しかし減らないと言うことは「固い」と 言うことで、車輪踏面が磨かれて鏡面化し、空転・滑走が起きやすくなり車輪フラットなどの原因にもなる。

【レチ】

電略で“車掌”の意味。語源は列車長。

【レチベン】

食堂車から車掌に出す弁当のこと。内容はハチクマベンと大差ないが、こちらの方が少しはまともなようである。

【れっしゃ】[列車]

停車場間の本線を運転させる目的で組成された車両で、最前部の車両で運転し、貫通ブレーキを装備したもの。だ から、1両でも“列”車

【れっしゃいちけんちシステム】[列車位置検知システム]

JR貨物が行っている非常時に列車の位置を検知するシステム。カーナビにも使用されているGPS(全地球測位シス テム)を使っている。

【れっしゃうんこうずひょう】[列車運行図表]

ダイヤグラムのことで、どの駅に対しても時刻は表示してあるが、実際の列車の運転取扱方は運転時刻表に定めら れている。

【れっしゃキロ】[列車キロ]

列車が走行した走行距離の累計こと。

【れっしゃじゅうりょうしけん】[列車重量試験]

列車単位を増大できるかをテストするため、実際に沢山の車両を牽引すること。日本の最高記録は1920年だかに、 リンク式連結器で3500tの列車を単機で牽いたのが最高。この時の機関車9687号機は、西川口のスポーツセン ターに保存されている。世界最高は南アフリカで9両の交流電気機関車と、7両のヂーゼル機関車によって記録さ れた、71,200tというのが最高である。

【れっしゃぜったいていしスイッチ】[列車絶対停止スイッチ]

緊急停止スイッチの事だが、これはATC区間に設置されるもので車上信号が0(ゼロ)信号になるスイッチである。

【れっしゃせんべつそうち】[列車選別装置]

踏切制御子と一緒に設置され、列車の速度を読みとり踏切の閉鎖時間を調整するもの。

【れっしゃそせいていしゃじょう】[列車組成停車場]

列車を組成することに定められている停車場のこと。死んだ列車を生き返らす「列車蘇生停車場」ではない。(でも 意味合いは似てるな)

【れっしゃたんい】[列車単位]

列車の編成両数のこと。

【れっしゃていしいちもくひょう】[列車停止位置目標]

略して“停目”と言う。列車を停車場に停車させるときの目安となる目標。正方形を45度回転させた白色反射板の 周囲を橙色に塗り、編成両数や「○」や「×」の描いてあるお馴染みのもの。鉄道会社や地方などによって若干の 違いがあるようである。五能線に“ノスタル”が走っていたときの“停目”には「眺」と描いてあった。東京の電 車区間では見にくいので周囲に橙色などの色枠が付いているが、アレを提案した人(筆者の父)は「金一封五百円 也」を貰ってきた。

【れっしゃていしひょうしき】[列車停止標識]

略して“列停”と言う。常置信号機を設置できない場所での列車の停止位置を示す標識で、出発信号機が所定の位 置に設置できないときに設置される。四角い白色の反射板に黒い十字が描いてある。

【れっしゃばんごう】[列車番号]

列車と定義されるものには必ず付く番号、列車の正式な名称である。列車の本名のこと。様々な規則の元に四桁以 下の数字からなり。例外もあるが、上りは偶数、下りは奇数になっている。

【れっしゃばんごうせっていき】[列車番号設定器]

地上の“列車番号読み取り装置”へ列車番号を送信するための車載の発信器。最近首都圏の電車の列車番号表示器 がLEDを使ったものに変わりつつあるが、列車番号設定器とは連動していない、折角だから連動させればいいの に・・・。

【れっしゃばんごうひょうじき】[列車番号表示器]

電車や気動車には必ず付いているが、常磐線の取手から先が非電化だった頃の上野まで来るSLにも付いていた、エ ンドヒーム上に箱が置いてありそこに列車番号を表示していた。結構不細工である。

【れっしゃばんごうよみとりそうち】[列車番号読み取り装置]

地上作業員などに対して接近している列車の列車番号を知らせるハイテク装置、車両の運転台には列車番号設定器 を搭載し地上側では列車番号を表示する受信機を持つ。

【れっしゃひじょうていしそうち】[列車非常停止装置]

緊急停止スイッチが正式名称、ホームから乗客が転落した際など非常時に列車を緊急に停止させるための装置で、ホームの柱などに付いている黄色の箱で赤い押しボタンがスイッチである。非常の時以外に使うと罰せられる。→ 列停

【れっしゃひょうしき】[列車標識]

列車の前後を明示する標識。前部標識と後部標識がある。よーするに“前灯”と“尾灯”のこと。

【れっしゃぼうご】[列車防護]

線路に支障があった場合、併発事故防止のため他の列車を停止させる必要がある。これを列車防護という。

【れっしゃぼうごよういん】[列車防護要員]

列車防護をする人員のこと。普通は車掌が行う。

【れっしゃむせん】[列車無線]

《Aタイプ》

復信方式と呼ばれる。電話のように相互に話の出来る無線。

《Bタイプ》

半復信方式と呼ばれる。移動する側(列車)が単信式とし基地局側では復信式の無線。

《Cタイプ》

単信方式と呼ばれる。送信、受信を交互に行う方式の無線。

【れってい】[列停]

→列車非常停止装置

【レッドアロー】

西武5000系の愛称。

【レッドエクスプレス】

JR九州の485系、最初はかっこいいと思ったかが全部アレになると・・・。

【レッドトレイン】

赤い50系客車で運行されている列車。

【れつぼう】[列防]

列車防護装置や列車防護スイッチのこと。

【レバーサ】

逆転器及び逆転器ハンドルのこと。英語のReverserから。ハンドルがレバー状であることからこう訛ったのであ ろう。

【レピーター】

ホームの上屋からぶら下がっている白色や橙色、緑色の円形のランプのこと。出発信号機が停止以外の時に点灯し、 車掌や駅係員に列車を発車させてもよいことを知らせるもの。→出発現示器・出発反応標識・開閉時期合図器・開閉時 期合図灯

【レフ】

レフ板の略。逆光撮影時に被写体を明るくするための反射板。逆光で蒸気機関車を撮るときに非常に欲しいが線路 脇にはそんな物置けないし・・・、雪が積もっているときにはその雪がレフ板代わりになる。

【レフレックスレンズ】

ガラスレンズを使う通常の撮影レンズに対して凹面鏡を組み合わせてあるレンズのこと。レンズの性能としては今 ひとつだが、超望遠レンズが超軽量で作れる他、水面の反射などにリング上のボケが出来るなどの面白い特徴があ る。

【レベッカ】

JR東日本のカレー専門店。

【レベルくかん】[レベル区間]

線路の水平な区間。

【れぼ】

列車ボーイの略。乗務掛。

【レラ】

連絡の略。「レラコウ」と言えば「連絡を乞う」と言う意味。

【れんかんれんけつき】[連環連結器]

リンク式連結器のこと。→ネジ式連結器

【れんせつしゃ】[連接車]

台車が車輌と車輌の間にあり、台車が連結器を兼用している構造の車輌のこと。小田急のロマンスカーやフランス 国鉄のTGVが有名である。

【れんけつ】[連結]

連結器を使って車両同士を繋ぐこと。ただ繋げるのでなく空気管や電気連結器も繋げなければ列車として運行は出 来ない。

【れんけつじくすう】[連結軸数]

列車として組成した車両の車軸の総数。

【れんさ】[連鎖]

鎖錠されている信号機や転轍機が互いに鎖錠関係を持つこと。

【れんさへいそくほうしき】[連査閉塞方式]

“閉塞方式”の項を参照のこと。

【レンズつきフィルム】[レンズ付きフィルム]

プラスチック製のケースに機械式シャッター機構と、プラスチック非球面レンズを内蔵し、フィルムを装填した状 態で販売されている簡易カメラ。現像に出す際はカメラごと出し、カメラは現像所を経由してリサイクルされるの で使い捨てではない。ISO400のフィルムを装填し、レンズは35mmF8程度、シャッタースピードは1/100で固 定されている。ネガフィルムのラチチュードの広さを利用し、広角の、絞りの小さいレンズで被写界深度を深くす る、パンフォーカスという方法を採っているので、巻き上げてシャッターを押すだけで写真が撮れるけれども、き れいに撮るにはそれなりの約束事がある。

【れんせつしゃ】[連接車]

車両同士が連結器ではなく、台車で連結されている構造のもの。高速安定性に優れTGVや小田急のロマンスカーな どに採用されているが、連結を外すためには仮の台車を用意しなければならないなど、面倒な面も多いのであまり 普及していない。

【れんたん】[練炭]

蒸気機関車で使用する燃料だが、戦後は品質を均一化させるために、粉炭をピッチで固めた“練炭”を使うことが 多くなった。練炭といっても七輪で使う穴の開いたアレではなくあんかに使う豆炭のことである。穴の開いたのは 蓮根(レンコン)みたいなので「蓮炭」と書く場合がある。実は戦時中、海軍で使っていた軍艦用の燃料製造設備 を流用したもので、戦後しばらくは練炭一個一個に錨のマークが刻印してあった。

【れんどう】[連動]

連鎖関係にある信号機や転轍機が、鎖錠関係を持ったまま動作をすること。

【れんどうずひょう】[連動図表]

駅構内における線路配線、連動装置、標識類や主要建造物の配置などを記号によって示した図表。駅事務室内の線 路側の窓の上などに高々と掲示されていて、駅の全容が一目でわかる。

【れんどうそうち】[連動装置]

信号機と転轍機などの機器相互間に一定の条件を付けて動作させる「連鎖」を設けた制御装置のこと。転轍機と信 号機梃子(てこ)が連動していて、誤った操作をしてもフェイルセーフが働くようになっている。つまり、ポイン トのある軌道回路上に車両が居る場合、テコを操作してもポイントが切り替わらないようになっている。昔、操車 場に何年もうっちゃってあった貨車を廃車回送する際に、車輪が錆びきっていたため軌道短絡せず、梃子を操作 (これを早期復位という)したところポイントが動作してしまい貨車が脱線してしまったことがあった。たまにはこ んな事もあるので操作は確認をして確実に。大きく分けて第一種と第二種があり、第一種は取扱箇所が一ヶ所に集 中されているもので、第二種は取扱を機器が設置された現場で行うものをいう。また連動を機械的に行う“機械式 連動装置”と電気的に行う“継電連動装置”とさらにそれを無接点化した“電子連動装置”にも分かれている。

【れんどうへいそくほうしき】[連動閉塞方式]

“閉塞方式”の項を参照のこと。

【レンブラントこうか】[レンブラント効果]

“光と影の画家”と呼ばれたレンブラントを称して言われる言葉で、なんの変哲もない撮影ポイントや、どうやって 撮っても絵にならない新型車両などを“光と影”の演出効果によって立派な作品にでっち上げてしまうこと。

【れんらくうんゆちょくつうかしゃ】[連絡運輸直通貨車]

地方鉄道が保有している貨車で、国鉄線内を走行できる条件を備えている貨車。区別するために形式表記の下に白 線が二本入っている。